放送内容
トルコ中央部に位置するカッパドキアは、標高1000mほどの高原にある奇岩地帯です。カッパドキアのシンボルといえば奇岩「キノコ岩」。巨大なものは高さ20mほどあります。その不思議な形から「妖精の煙突」と呼ばれるようになりました。カッパドキアには、古くから人の暮らしもありました。迫害から逃れてきたキリスト教徒が、1000年にわたる独特な文化を残します。奇岩を掘りぬいた岩窟教会は絢爛たるものです。
火山が生んだ奇岩地帯
奇岩地帯を生んだのは1千万年前の火山活動でした。その証ともいえるカルデラ湖があります。活発な活動を続けていた火山が、山体を陥没させる大噴火を起こしたのです。吐き出した火山灰は莫大な量でした。それが堆積して分厚い凝灰岩の大地に変わったのです。
キノコ岩誕生のヒミツ
カッパドキアの奇岩「キノコ岩」。これまで頭に乗せた帽子のような、色の濃い岩は、溶岩でできた硬い玄武岩と言われてきました。しかし新たな調査で、全て凝灰岩でできていることが分かりました。色の濃い岩は、かつて繁殖していた藻類の痕跡だったのです。
ナゾの地底都市
奇岩の大地には、ローマ帝国の迫害から逃れたキリスト教徒が隠れ住んできました。修道士たちは奇岩に洞穴を掘り、祈りの場にしてきたのです。さらに彼らは地下70mの地底都市も築き上げます。外敵の攻撃に備えた避難用のシェルターでした。