特集

2018年1月21日「パンタナール保全地域」

まさに動物の宝庫!次々現れるひと癖ある動物たち

雨季と乾季の繰り返しが育んだパンタナールの豊かな自然は、他に類を見ないほど、たくさんの動物で満ちあふれた場所を生み出していました。番組には、ジャガーのほかに出会った、ちょっと変わった動物たちも登場します。

──自然あふれる広大なパンタナールですが、どのような動物を見かけましたか?

小澤:とにかく数が多いのは、巨大なネズミであるカピバラ。あらゆるところで、集団でいるのを見かけました。それと、パラグアイカイマンというワニ、これも数が多かったです。体長は3メートルほどになりますが、性格は比較的おとなしいんです。実はこのワニ、何とジャガーの主食でした。川沿いに現れるジャガーは、ワニを探していたんです。獲物を見つけると、ワニの視界が届かない真後ろから襲いかかり、強いアゴで首筋に噛みつきます。

水辺のもうひとりの主役は、体長3メートルのワニ、パラグアイカイマンです。

パンタナールでは、このワニがジャガーの主食になっています。

──ワニを食べるとは想像していなかったので、ちょっとびっくりですね。ほかにはどのような動物と出会いましたか?

小澤:大小2種類のアリクイも見つけました。小さいほうは、木登りが得意なコアリクイ。動きにも愛嬌があって、すごくかわいかったですね。大きいほうは、オオアリクイです。アリを食べるために進化した細長い顔や舌は、間近で見ると本当に変わった形をしています。特徴的なしっぽの毛並みや、体の美しい模様も独特で、映像で見てもらうとわかりますが、歩く姿はもはや優雅という言葉がピッタリです(笑)。

変わった形の頭と柄が特徴的なオオアリクイにも出会いました。優雅に歩く姿は、美しくさえあります。木登りが得意なコアリクイは、かわいい動きにも注目です。

──ひと癖ある、変わった動物たちがたくさん登場しそうで、楽しみですね。

小澤:はい。あと忘れられないインパクトを与えてくれたのが、オオカワウソですね。カワウソというと、小動物で、どちらかというとかわいいイメージがあるじゃないですか。でも、オオカワウソは体長1.5メートルと巨大で、しかも目つきが悪く、全然かわいくありません(笑)。性格も荒々しくて、ジャガーすら襲うことがあると言われています。集団で魚をつかまえて、頭からバリバリ骨ごと食べているシーンを目撃したのですが、興奮しながらエサをがっつく様子はかなり怖いです。その獰猛な姿は、ぜひ映像で見てください。インパクトありますよ。

鋭い目つきのオオカワウソは、集団で行動します。魚にかじりつく表情は、まるで悪魔のような顔つき!

──それでは最後に、パンタナールの取材の感想と見どころをあらためてお願いします。

小澤:今回の取材は、とにかくジャガーと向き合う機会がたくさんありました。単に姿をカメラに収めるだけではなく、ジャガーの生態に迫ろうと、粘って撮影を続けました。その甲斐あって、さまざまなジャガーの姿をお見せできると思います。熱心に観察していると、見ただけでオスとメスの見分けが付くようになるんですよね。それだけじゃなくて、「あー、このジャガー、あっちに行きたいのに、ボートが邪魔で行けないんだなー」といった風に、ジャガーの気持ちがわかるようにさえなりました(笑)。それだけつぶさに観察して撮影したジャガーの貴重な映像を、番組でたっぷりとご覧いただきたいと思います。