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2015年4月19日放送 「潜入! ガウディの3つの傑作」 アントニ・ガウディの作品群

バルセロナの小高い丘にある大規模な公園。もともとは自然とアートを散りばめた分譲住宅地として造られたものでした。波打つようなデザインのベンチや、86本の柱で支えられた広場、入り口の脇の守衛小屋、そしてガウディの自宅などが残されています。粉砕したタイルを使ったモザイクタイルのデザインが特徴の一つで、公園の象徴となっているトカゲの噴水でも採用されています。

トカゲの噴水に隠された
グエル公園の秘密に迫る

─次は、ガウディ最大の作品であるグエル公園ですが、独特のデザインのトカゲの噴水が有名ですね。

小澤:この噴水にも採用されている、割れたタイルをあしらったカラフルなモザイクタイルのデザインが、この公園の特徴のひとつです。そのため色とりどりの壁やオブジェであふれている場所になっています。そのトカゲの噴水には、ある秘密がありました。

グエル公園の象徴とも言えるトカゲの噴水。割ったタイルを使ってデザインされています。

─それはどんな秘密なのでしょうか?

小澤:中心の広場は、86本の柱で支えられています。その柱は実はパイプになっていて、広場に降った雨が地下に流れ込む仕組みになっていたのです。そこでわれわれは、広場の地下に潜入してみました。そこに何があったのか、ぜひ番組でご覧ください。

グエル公園の中心にある広場は、柱で支えられて宙に浮いたような状態になっています。

─広場の地下に何があるのか楽しみにしたいと思います。さて、「グエル公園の今」を象徴するものを挙げるとするならば、何があるのでしょうか?

小澤:建設されて100年が経つこの公園では、破損したタイルの修繕が行われていました。公園の象徴である様々なデザインのタイルを修復していくわけですから、作業はひと筋縄ではいきません。

─具体的には、どのような方法で修復していくのですか?

建築から100年が過ぎるグエル公園では、タイルの補修が進められています。一枚一枚、形とデザインを合わせてタイルが作られています。

波打つデザインのベンチも、
様々なデザインのタイルが配されています。

小澤:修復するタイルに合わせて型紙を使って塗装し、何度も繰り返すことで同じ模様を描きます。こうして作ったタイルを小さく割って、1枚1枚張り替えていくのです。観光ではなかなか見られない、グエル公園の今を表す光景ですね。

──しかし、本当に様々な色のタイルが使われているのですね。ガウディはこれだけ多様なタイルを、どうやって集めてきたのですか?

小澤:ガウディは、大量のタイルを安価に集めるため、タイル工場に行って廃棄用のタイルをまとめて手に入れていたようです。廃品の利用はタイルだけではありません。グエル公園には、割れた食器をタイルのように使ったところもあります。