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アメリカとカリブ海の歴史と自然に触れる鉄道&船の旅

石渡ディレクターインタビュー

―まず、1月13日放送の「アメリカ横断鉄道」を担当された石渡さんからお話を伺います。アメリカ横断鉄道について、簡単に説明していただけますか?

アメリカとカリブ海の歴史と自然に触れる鉄道&船の旅

石渡ディレクター(以下、石渡):アメリカ横断鉄道は、19世紀にカリフォルニアで起こったゴールドラッシュや、西部開拓の探検家が山に入ることによってルートを開発してできました。西部開拓史とかゴールドラッシュなど、アメリカが隆盛を極めていくまでの過程の中で生まれたのです。今回は、西海岸から大陸横断鉄道の夢を込めて鉄道を敷いていった歴史にならって、サンフランシスコ、サクラメント、デンバー、シカゴ、フィラデルフィア、ニューヨークというルートをたどります。

―どのような鉄道の旅になっていますか?

石渡:アメリカ横断鉄道での旅を通して、博物館で大陸横断鉄道を紹介したり、アメリカ先住民の遺跡を訪ねたり、昔のアメリカ、西部開拓史のアメリカを見ていきます。サンフランシスコからシカゴまでが直行列車ゼファー号で2泊3日の旅になります。シカゴから東へはさまざまな路線が出ていて、ここからは独立の歴史をたどるために、フィラデルフィアの独立記念館に行き、ニューヨークが終着点となっています。もちろん、そのルートの中で世界遺産も紹介しますよ。

―「鉄道に乗ればアメリカの歴史が見える」ということですね。

アメリカとカリブ海の歴史と自然に触れる鉄道&船の旅

石渡:西からは開拓史の時代、そして数少なくなった先住民族の暮らし。東にたどっていくと、近代史を造ったフィラディルフィアの独立記念館とか、独立百周年でフランスからプレゼントされた自由の女神とか、白人の独立の歴史がありますね。

―今回取材されてきた中で注目のポイントは何ですか?

石渡:デュランゴ&シルバートン鉄道ですね。山あいを走るSL列車なのですが、1881年から現在までずっと営業し続けてきたのが特徴です。かつて走っていたのが再開して、という古い鉄道はほかにもありますが、ここは100年以上ずっと営業している。途中で石炭列車に変わったり、今は観光客を乗せたりといろいろ変遷の歴史はあるようですが、大陸横断鉄道ができた頃のSL列車とほとんど同じものが断崖や川筋を走っているので、かつての大陸横断鉄道はこんな感じだったのかな、と印象深かったです。