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世界遺産の魅力を伝える新しい音色

―この「地球のこどもたち」が、『THE 世界遺産』のメインテーマとなったのは、番組の放送時間が深夜から日曜夕方6時へ移動した2008年からですね。まず、当時のことを聞かせてください。服部さんは、最初にメインテーマを作曲すると決まったときにどういうイメージをお持ちでしたか?

世界遺産の魅力を伝える新しい音色

服部:正直に言うと、少し難しいなぁと思いました(笑)。それまで10年以上にわたってメインテーマだった「The Song of Life」が名曲だったので、「TBSの『世界遺産』と言えば、この曲!」というイメージが定着しており、それをあえて変えるということで、「絶対にいい曲を作らなくては!」というプレッシャーを感じました。ただ、宮本笑里さんがバイオリンで演奏することが先に決まっており、バイオリンの演奏曲づくりという制約があったことで、あれこれ悩まずにスパッと作曲に飛び込んでいけたのはよかったです。

―制約がプラスに作用したのですね。演奏する側の宮本さんはメインテーマのオファーが来たときの心境はいかがでしたか?

世界遺産の魅力を伝える新しい音色

宮本:TBSの『世界遺産』は、私の大好きな番組だったので嬉しかったです。「The Song of Life」もよく聴いていたので、どうしてもそのイメージが強く、最初は「私が弾いて大丈夫なのかな?」という不安を感じました。でも、服部さんが送ってくださった譜面を見たときに、きっとこれはすごいことになるのだろうなと直感して鳥肌が立ったほどです。実際に音を奏でた瞬間にそのすごさを実感し、そしてそれが番組で初めて流れてきたときには夢心地でした。それから4年経っても、服部さんと私の音楽が番組のメインテーマとして変わらずに流れていて、ずっと愛され続けていているのは幸せですね。