特集

尾賀ディレクターインタビュー

コルシカ島のポルト湾周辺

―特殊な風景や生態系とは、どんなものなのでしょうか?

尾賀:ポルト湾周辺には、岩が奇妙な形にえぐれた窪みがたくさんあります。それらを土地の言葉で「タフォニ」と呼ばれ、その呼び名が地学で使われる用語となっています。このタフォニはさまざまな形があり、中には動物などに見立てて観光ポイントになっているものもあります。番組内では、ハート型のタフォニが登場します。さらにそのハートの上の方は岩が見つめ合う人のように見えるのです。

コルシカ島のポルト湾周辺

―それはロマンチックですね。タフォニはどのようにしてできるのでしょうか?

尾賀:日差しが強い地中海では、海の水分がよく蒸発するので、海水中の塩分濃度が濃くなっています。その海水が風によって岩に吹き付けられると、塩の結晶ができる過程で岩がもろくなり、崩れて窪みとなるのです。だから、タフォニは波が届かない高い場所でも見られます。