特集

世界遺産 ヨーロッパの旅I・II

ロマンチック街道を南へ

Q:では番組について、詳しく聞きたいと思います。まずはすべての始まりとなる「ローマ歴史地区」について教えてください。

世界遺産 ヨーロッパの旅I・II

神保:ローマ歴史地区は、世界最多の世界遺産を保有する国、イタリアの中でも特に歴史的に価値のある建造物などが密集して建ち並ぶ地区です。コロッセオや水道橋などの主要な建造物の映像が多く登場します。その歴史あふれるローマの町を「ヴェスパ」というスクーターで巡るツアーを取材しました。それは、映画「ローマの休日」のロケ地を巡るというもので、いま観光客の間で密かな人気を集めています。まさに、気分はオードリー・ヘップバーンという感じのツアーでした。

Q:実際にアッピア街道を走っていて気付いたことや変わったことはありましたか?

世界遺産 ヨーロッパの旅I・II

神保:南に行けば行くほど、北アフリカや、ギリシア、トルコといったオリエントの文化が混じってきます。今回訪れた最後の世界遺産、アルベロベッロには、「トゥルッリ」と呼ばれる、三角帽子のような石造りの不思議な家が立ち並んでいるのですが、それらは北アフリカに同じような造りの家があるのです。アッピア街道の終点のブリンディシという港町で、海外との交易の拠点になっていたため、南に行けば行くほど、異国の文化が色濃く残っています。それらの変化も番組の見所の一つとなっています。

Q:そのほかの見所を教えてください。

神保:そのほかに挙げるとするとやはり「ポンペイの遺跡」ですね。ここは、1世紀頃に栄えた古代ローマ人の地方都市です。しかし、ヴェスヴィオ火山の大噴火によって、火山灰で町は埋もれてしまいました。18世紀になって、発掘が行われ、地中から出土した当時の町の遺跡が世界遺産に登録されました。火山灰に覆われていたため保存状態がよく、当時の暮らしを知ることのできる貴重な古代ローマの遺跡です。

世界遺産の歩き方I

【世界遺産の歩き方I】
ローマ街道の旅で、ローマの次に訪れるナポリには、ピッツア・マルゲリータの発祥とされる有名店、「Brandi(ブランディ)」がある。120年以上の歴史を持つこの店だが、庶民的で、看板メニューのピッツア・マルゲリータは4.2ユーロ(500円以下)で楽しめる。「ナポリ歴史地区」内の世界遺産を見学し、この店で舌鼓を打つ、というのが人気の観光コース。ただし、非常に人気の店なので、事前に予約をすることをお勧めする。