特集

黄龍

世良ディレクターインタビュー

中国・四川省に位置する黄龍(こうりゅう)は、「四絶」と呼ばれる彩池・雪山・渓谷・森林の4つ景観が組合わさった景勝地で知られる世界遺産です。
特にその彩池は、その不思議な形状と鮮やかな色合いで「人間瑤池(この世の仙境)」と言われています。今回の特集では、黄龍を取材した世良ディレクターにその魅力についてお話を聞いてみました。

Q:まずは、黄龍は中国のどのあたりにあるのでしょうか?

四川省北西部に位置する世界遺産です。行き方は、まず成田から成都へ行き、国内線に乗り継いで四川九寨黄龍空港という飛行場へ降りました。
朝に到着したのですが、標高が3400mもある空港で、8月だったにも関わらず気温4度で寒くて驚きました。
そこから黄龍までの移動は車で、本来なら2時間のところが四川大地震のあと、まだ道の復旧作業中のために渋滞で5、6時間ほどかかりました。

Q:黄龍とはどういった世界遺産なのでしょうか?

黄龍

黄龍と呼ばれるのは、高さ5160mの玉翠山(ぎょくすいさん)の山麓に広がる地域です。そこに、「彩池(さいち)」と呼ばれる石灰によってできたテーブル状の多数の池と、森林が交互に連なる長さ4km、高低差500mほどの渓谷があります。
彩池はまるで棚田のような地形をしていますが、石灰によって作られた自然の産物なのです。石灰が溶けた水の流れに、落ち葉などが溜まるとそこに石灰が沈殿して固まります。石灰が固まるとそこにさらに落ち葉が溜まり、また石灰が固まる、という過程を繰り返して「石灰棚」という段差が成長していきます。そうしてできたのが黄龍の地形です。
段差は数cmから高いのだと2mほどあります。石灰棚だけでも珍しい地形ですが、彩池はそこにたたえる水が文字通り黄、緑、青の鮮やかな彩りを見せていて素晴らしい景色が生み出されています。