特集

アルバータ州立恐竜自然公園

インタビュー

Q:番組の見所はやはり発掘風景ですか?

アルバータ州立恐竜自然公園

もちろんそれもありますが、世界遺産に登録されている恐竜自然公園から車で2時間ほど離れたドラムヘラーという場所に「ロイヤルティレル博物館」があります。ここは公園内で発掘された大半の化石が運ばれ、クリーニングされ、展示されている場所なのですが、世界で一番恐竜展示の規模が大きい博物館としても有名なんです。そんな魅力的な博物館の展示物とフルコンピューターグラフィックを使って恐竜を再現したのも見所のひとつ。監修の先生と何度も調整を重ね、漫画的ではなく、できるだけ学術的な裏づけを持って恐竜をよみがえらせるイメージで恐竜の骨格や皮膚の色、顔の形などを再現しました。 ほかにも発掘された骨が体のどの部分なのかを分かりやすく、こんなに大きな生物がいたんだというイメージをより膨らませてもらえるように組み込んだCGシーンもあります。

Q:実際に化石発掘に立ち会った感想は?

アルバータ州立恐竜自然公園

1時間ほど発掘作業を撮影させてもらい、恐竜のスネの部分を掘ってもらいました。正直、骨が見つかったら大まかに砂を削って、あとはスポッと取れるものなのかと思っていましたが、そんなのは大間違い! 7500万年も経っているから、骨を持ち上げようとするとボロボロと崩れてしまうらしいんです。なので、まずはヒビ部分に接着剤を流して接着しながら作業。でも、これだけではまだ崩れてしまうので、僕たちが怪我した時に使うような石膏付きの包帯をそっと巻いてからゆっくりと取り出し、1週間ほど置いて固まらせてから包帯をはずすという作業が行われるそうです。部分的な骨が見つかった場合はこんな感じですけど、全身骨格が見つかった場合はさらに大変! まずは掘り出さずに、周りを石膏で固めてからヘリコプターで吊って博物館に運びます。その後に行われるクリーニング作業は約2年かかるそうです。発掘って本当に地味で根気のいる作業ですよね。 でも、夢を育てる作業でもあります。現に、公園内でツアーに参加しているのであろう子供たちを見かけましたが、彼らの目はとっても輝いていました。世界中どこでも、恐竜って愛されているんだななんて思ったりして。