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2016年6月5日放送
アルルのローマ遺跡とロマネスク建築

川底に古代ローマの巨大船

数年前、アルルの中心を流れるローヌ川に沈む船が発見されました。
それはなんと2000年前のローマ時代の木造船。水中で切り分け、慎重に引き揚げられました。
さらに数千もの陶器の壺も。アルルはローマ時代、世界中の物資が集まる港町だったのです。

ローマ帝国を支えた製粉工場

アルル近郊の山の麓に水道橋がありました。ローマ人は水源からアルル市街へ水を引いたのです。
さらに斜面を利用して製粉工場まで作りました。流れ落ちる水の力を利用して水車を回していたのです。
パンはローマの人々にとって無くてはならない食べ物でした。

よみがえる2000年前の美女

ローヌ川の右岸でローマ時代の邸宅の遺跡が見つかりました。
そこから色鮮やかな女性の姿が描かれたフレスコ画が出土したのです。
それは赤い色使いが特徴で高価な顔料が使われていました。
ローマ時代の相当位の高い人物の邸宅であることは間違いありません。

南仏アルルはゴッホが300点もの絵を描いたことで有名です。気候は温暖で夏はたくさんの観光客で賑わいます。
そんなアルルで近年ローマ時代の遺跡などが立て続けに発見されています。
1つはローマ時代の邸宅跡で発見された色鮮やかなフレスコ画。
そしてもう1つは川底から見つかったローマ時代の木造船です。しかもそのままの姿で引き揚げられたのです。
アルルの街の下には今もなお2000年前のローマ時代の街が眠っているのです。

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