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2016年5月29日放送
マデイラ島の照葉樹の森

雲海が生んだ大峡谷の森

島の北側に氷河期を乗り越えた原生林が広がる。
森を守ってきたのは雲。北側の海から流れ込む雲を、中央部の山々が防波堤のようにせき止め、北側に分厚い雲海を生む。
森はその雲から水分を吸収し生きながらえてきた。

全長2000km!水のネットワーク

雲に覆われる島の北側に比べ、南側は雨が少なく乾燥している。
そのため北側の森が雲から集めた豊富な水を、南側へ流す水路網が島中に張り巡らされている。
この水路を利用し、人々はバナナなどの作物を育ててきた。

ダーウィンも注目!飛べない虫

一年中、島には海から強い風が吹きつける。
吹き飛ばされることを避けるため、飛翔能力のあった虫の多くが飛ばなくなり、次第に羽が退化した。
ダーウィンはこの退化を“生き残るための進化”と捉え、種の起源に記した。

アフリカ大陸から西へ700キロの沖合いに位置するマデイラ島。
火山の噴火で生まれた島には砂浜がなく、周囲を断崖絶壁が取り囲む。
この島の北側に氷河期を乗り越えた貴重な照葉樹の森が広がる。
森を守ってきたのは大西洋から流れ込む分厚い雲海だ。
この雲のおかげで森は常に潤い、斜面のいたるところで水が滴り落ちている。
また森の豊富な水を利用して、全長2000キロを超す水路のネットワークが島中に張り巡らされている。

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