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2016年3月13日放送
女王の階段井戸

まるで神殿!地下の巨大井戸

神殿のような井戸の建設は1000年前の大プロジェクトでした。
高度な土木技術で石を組上げ、神々の彫像や装飾を施したのです。
壁や柱に使われた砂岩は、130km離れた石切り場から牛車で運んだものでした。

女性が生んだ井戸のヒミツ

古くからインドでは、地下水は女性を象徴する神聖なもの。
井戸を寄進する多くが女性でした。階段井戸には悲劇の物語もありました。
国王に先立たれた王妃が、自ら作った井戸に身を投げ、夫の後を追ったのです。

1000年水が涸れないナゾ

スーリヤ寺院の聖なる池は、井戸のように掘られた人工池。
1000年涸れないのは、水源が尽きることない地下水脈だからです。
それは階段井戸も同じです。豊かな地下水と雨季に降る大量の雨が、人々に恵みを与えたのです。

インド西部のグジャラート州は、ダムが涸れるほどの乾いた大地です。昔から水の確保が重要でした。
1000年前この地を治めた女王が巨大な階段井戸を作りました。深さ30mの井戸水を汲むために階段状の構造にしたのです。
インドでは、井戸は神聖な場所でもありました。壁や柱を神々の彫像で飾った、まさに神殿のようでした。
階段井戸はグジャラート州だけでも100以上作られ、旅人にとっても大切なオアシスになりました。

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