放送アーカイブ

2013年7月7日放送
ペルシア庭園

驚異の地下水路

砂漠の下を走る「カナート」と呼ばれる掘り抜き井戸は、古代ペルシア時代の画期的発明。
深さ数十mの竪穴を点々と掘り、地下で横につないで何十kmも水路を延ばしていく。
闇に水音を響かせる大水路。今もイラン各地で使われている。

楽園のカタチとペルシア絨毯

世界に名高いペルシア絨毯は、一枚数百万円もする伝統の工芸品。
その代表的デザインは、緑の中に十文字に水路を巡らした庭園の眺めそのもの。
庭園のカタチは「楽園の姿」として世に広まり、様々な文化に影響を与えた。

クレオパトラも愛したバラの香り

世界で初めて香料用のバラを栽培したのも古代ペルシア。
バラの香料は各地に広まり、かのクレオパトラもバラの香りをこよなく愛したという。
毎年5月、庭園には色とりどりのバラが咲き誇り、春の訪れを告げる。

古代ペルシアが生んだ地上の楽園。それは水と緑あふれる庭園でした。
灼熱の砂漠が広がる中東の地で、心地良い木陰に涼しげな水音を響かせる美しい庭は、まさしく人々が夢見た天国だったのです。
世界遺産となった9つの庭園には、砂漠の民が生み出した「水を操る知恵」が詰まっています。
乾いた大地の下を数十kmも続く驚異の地下水路。わずかな水圧を計算して作られる噴水。
世界の庭園文化の原点が、このペルシア庭園にあります。

  • (写真)
  • (写真)
  • (写真)
この地域の世界遺産リスト