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2010年4月25日放送
ブウィンディ原生国立公園

ゴリラのあいさつ

ゴリラは人間とDNAが2パーセントしか違いが無い。
生態を解明するために、研究者たちはゴリラのグループを長期に渡って観察している。その中で森のゴリラと出会う時使われる挨拶の言葉があった。
人間に対する彼らの警戒を解くための大切な挨拶である。

優しきベジタリアン

ゴリラは完全な菜食主義。
森の中に生えている「草」を一日に20キロも食べるという。
ゴリラと同じ類人猿の仲間は果物や木の実を中心とした食物であるのに対し、森の草は1年を通して豊富にあるため食物を奪い合う必要がない。
その容貌と胸を叩くドラミングなどから昔からゴリラは凶暴な動物というイメージがあったが、実は争うことを知らない平和主義者なのである。

銀の背中の父

オスのゴリラは13歳ごろから成熟し、背中の毛が銀色に変化し「シルバーバック」と呼ばれる。そのシルバーバックがボスとなり、グループを率いる。
母は子供が3歳で乳離れすると、シルバーバックに子供を預けてしまう。自分の周りや時には背中で子供たちを遊ばせ、普段の生活の中で子供たちの見本となってさまざまなことを教えていくのである。

地球上にわずか600頭。
絶滅の危機にあるマウンテンゴリラ、その半数が生息するウガンダ・ブウィンディ国立公園である。ゴリラはほんの160年ほど前に初めてヨーロッパに紹介され、人々に凶暴な獣のイメージが植え付けられた。
しかし彼らは高い山岳地帯の森の中で草を食べながら、集団でひっそりと暮らしている。そして心温まるその子育ての様子は、人間の家族と何ら変わりがないのである。

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