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2009年2月1日放送
ロス・グラシアレス

南極、グリーンランドに次ぐ規模を誇る氷河地帯・パタゴニアは、南米最南端の地。
ロス・グラシアレス国立公園は、チリと国境を接するアルゼンチン側にある。
地球規模の気候変動により、氷河の後退・薄氷化がすすむ中、「ペリト・モレノ氷河」は、活発な動きを見せる世界でも珍しい氷河。
「生きている氷河」とも呼ばれ、1日2メートルずつせり出し、轟音と共に崩落する。
今も、大自然の壮大なドラマが繰り返されている。

パタゴニアには、地球の記憶が刻まれている。氷河が後退して現れた地層から、氷河期以前のアンモナイトや恐竜の化石が発見されている。

パタゴニアは、アフリカで誕生した人類が、最後に辿り着いた世界の果て。100年ほど前までは、顧みられることの無い荒野だった。
19世紀、この地を探検したフランシスコ・モレノは、その自然を残すことの大切さを生涯をかけて訴え続けた。死後、彼の願いはかない1937年、国立公園となった。

ロス・グラシアレス国立公園には、「ペリト・モレノ氷河」以外にも、世界有数の規模を誇る「ウプサラ氷河」がある。しかしこの氷河は後退を続けている。アンデス山脈の南端に広がる同じ氷原から流れ出す氷河が、それぞれ違った動きをしている原因は、まだ分かっていない。

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