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2008年7月20日放送
ヴィエリチカ岩塩坑

ヴィエリチカ岩塩坑には、13世紀の半ばから岩塩を採掘していました。塩を掘り出した跡に残る巨大な空間には、地下の礼拝堂がいくつも建設されています。

礼拝堂の中でも最大のキンガ礼拝堂。壁には岩塩を掘り込んだ見事なレリーフが並びます。光沢を放つ床、シャンデリアの飾りもすべて岩塩でできているのです。

19世紀に発見された「クリスタルの部屋」。ここには世界でも珍しい、一辺が数十センチもある岩塩の結晶が壁一面を覆っています。湿度の違いで塩の結晶は様々にその形を変えるのです。

地下300mの世界遺産、ヴィエリチカ岩塩坑。薄暗い坑道に突如、現れる「キリスト像」。事故で人が亡くなったところに十字架をかかげる風習は今も残っているのです。13世紀半ばから採掘が始まり、全盛期にはポーランド王国の全収入の30%以上をヴィエリチカ岩塩坑がもたらしていたのです。岩塩坑は地下 64mにある第1層から地下327mにある第9層、地下通路の長さは総延長250kmに及ぶ、まさに地下迷宮。そこに、坑夫たちが自らの手で彫ったレリーフや祭壇、キリスト像などが点在しています。700年を超える掘削技術の歴史を今に残す場所であり、岩塩の巨大な結晶が見られる世界でも珍しい場所でもあるのです。1978年、初めて世界遺産として登録された12箇所のサイトの一つです。

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