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2008年6月1日放送
ギョレメ国立公園およびカッパドキアの岩石遺跡群

トルコ中部の標高1,000mの岩石地帯・カッパドキアは、不思議な形の岩が並び立つ。何万年もの時間をかけ、火山活動と風雨の浸食により地球が造りだした奇跡のような岩の造形美。ユニークにして圧巻。

カッパドキアには300を超える地下都市が存在する。キリスト教徒が一時的な避難所や修行の場として掘り進めたものという。中には深さ50mを超えるものもあり、網の目のように地下空間と通路が広がる。詳しい生活の記録や痕跡がないため謎が多い。

キリスト教徒たちが奇岩や岸壁を掘り、数々の聖堂や修道院を建造した。アリの巣のような景観に加え、アーチやドームといった建築様式やフレスコによる宗教画が岩窟の中に残っている。まさにカッパドキア独自の世界。

トルコ中部・カッパドキアは世にも稀な場所だ。大地が造りだした不思議な岩の景観。ここをキリスト教徒たちは修行の場に選び、岩窟を掘って聖堂や修道院を造った。さらに地下へも掘り進み、巨大な地下都市が造られた。自然の奇妙な風景に、人間の執念深いまでの「掘る」行為が加えられ誕生した奇妙な景観は、複合遺産にふさわしい。

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