人物デザイン・柘植伊佐夫が語る『ヘブンズ・フラワーの世界』

第3回「多彩なコスチューム」

蛍光雨の世界 The World Of Fluorescent Rain

高成Pとファーストミーティングをした際に思いついた重要なアイデア、それが 「 蛍光雨 (けいこうう)」 でした。2047事件 の結果、蛍光塗料 ルミナール80 が微小飛散し、その影響で蛍光の雨が降るようになった。事故直後何年間かの降雨は頻繁であったが、2060年頃にはほとんど降らなくなった。しかし極々たまにスコールのように降り注ぐようになりました。その予兆は 「 蛍光雲 (けいこうぐも)」 の出現によって確認できます。新東京区のひとびとがカッパを常備しているのも、この蛍光雨が恐いからですね。

2060年には蛍光雨はスコールのように気紛れに降ります。第七地区のひとびとは安いビニールガッパを着てますね。第四話でとうとうこれが出現するんですね。まぁ、大雨の撮影はとてもむずかしいのですが、カッパはもう蛍光雨にやられます。これをつくるのに美術チームがとても頑張ってくださいました。さながら ポロックのドロッピング のような手法でカッパにペイントしていきました。これは第四話担当の演出棚沢さんが主導してくださり、僕もペイント参加しています。最初にカッパペインティングを施したのは、第三話のアイと真中が冷凍庫に閉じ込められるシーンを撮影している最中で、深夜の緑山スタジオの屋内駐車場みたいな場所にカッパをならべて、ビュッビュとペインティングしましたね。すっごい深夜で寒くって、向こうでは撮影してるし、何がなんだかわけわからない感じで、楽しかったなぁ、あれ。というわけで、まだまだ謎が深まる 「 ヘブンズ・フラワー 」 お楽しみくださいね !!!

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