毎週金曜日 深夜0時20分〜 0時50分
真中刑事や須藤刑事、シャオガンやプーシェンなどなど、ラストガーデンと対立軸を成す人々の衣装は 東宝コスチューム に担当して頂いています。この番組枠の前作 「 クローンベイビー 」 から引き続き TBS 作品に慣れていらっしゃる部分や、統一感のとれた全体表現が必要である本作に、なくてはならないチームですね。偶然ですが、この作品の前に担当させていただいていた 「 龍馬伝 」 の衣装もこちらの別チームですね。ご縁があります。
真中や須藤は刑事ということもあり、幾分現実的なリアリティー感 (2011年現在における) を表現しています。もっともこれはシャオガンはじめ 星龍 にもルック上で共通しているのですが、まあ、一種の制服感やエイジング感があるということでしょうか。シャオガンに当てはめたイメージは 「 ゴッドファーザー 」 や 「 イヤー・オブ・ザ・ドラゴン 」 に流れるマフィアの系譜。衣装は上品だが一皮剥いたら冷酷な悪というような。しっかりしたフォーマリズムがあるからこそ、あの 双眼鏡 のようなジョークともエスプリともウィットともつかないような (笑) アイテムに 「 ただごとではないな 」 という雰囲気を持たせられるわけですね。ちなみにこの双眼鏡アイデアは本田さんご自身からです。「 シャオガンは、双眼鏡、見てると思うんだよね、絶対 」 って (笑)。で、僕らも、「 そうですよね 」 って (笑)。もうこの辺になってくると理屈抜きですから。で、本田さんのオーダーはその双眼鏡の両脇からナイフがシュシュっと飛ぶっていう。。で、仕事を失敗したプーシェンの頭の両脇をかすめて壁にトトンって、、刺さる、みたいな (笑)。すみません、本田さん、諸事情でそこまでできませんでした (謝)。
真中のルックを作っていく時、スーツをイメージしていました。しかし2060年のスーツ姿ってどんなものだろうと。そこで始めにイメージしたのはトップがタイトで、ボトムが大きいというバランスでした。それを試すためにトップは普通に黒のスーツに、ボトムを、あの学生がはく 「 ボンタン 」 と 「 ドカン 」。ふたつとも異常にダボッとしたシルエットのパンツですが、ボンタンは裾がすぼまっていて、ドカンはそのまま、まぁ、どかんと。で試した結果、ドカンが面白かったんですね、だけどなんかジャケットと合わせるとイマイチで、トップをアウトドアっぽい感じに変えてみたら面白くって、そこにブーツを履いたら気分が出て来た。で、試しにドカンの裾を上げてったら、なんだか遠くからみるとサリエルパンツみたいなシルエットになったんですね。監督も僕もすごく気に入って。そうしたら荒木くんが、「 いやぁ、一時はどうなるかと思いましたよ (笑)」 ですって (笑)。