インタビュー

日曜劇場『99.9-刑事専門弁護士- SEASON II 毎週日曜よる9時

インタビュー

香川照之さん/佐田篤弘役

Q 待望のSEASON

写真 通常は、すぐにはSEASONへと結びつかない。やはりキャスト・スタッフともに皆さん時間が無いですし、我々も時間をつくるということが出来そうで出来ない。
しかし、松本潤さんが我々の一段上に立って、全体の交通整理をやってくれました。本質的に時間をつくるには、それを乗り越えてドラマをやるには…と、時間をつくるということに向き合わせてくれたこと、尊敬しています。プロデューサー的な目線、スタッフ的な目線も、全部込みで僕自身とも同じことを考えてくださっている方です。
もちろん、プロデューサーをはじめとするスタッフたちが動いて成立したSEASONですが、一方でこちら側も一緒にSEASONが実現するよう持って行った感覚もあります。なので「SEASONをやると聞いて」という受動的な感じはないです。そこがいつもの連ドラとは違うところですね。SEASONが終わってからも会っていましたし、お互いの情報が通過しやすかったというところもありますが、単純にSEASONを終えた後、がやりたいなと思ったから、順調に実現できたというのが理由ではないでしょうか。
ドラマが終わると「なんだったんだろう昨日までのこと」と思うくらいスパっと区切る方が多い中、松本さんは違うタイプの方で、全部巻き込んで大切にされています。そこもまたSEASONの接着剤になっているんじゃないでしょうか。松本さんがそう考えていたからこそ、関わった全員も同じ空気になっていたのだと思います。

Q 改めて松本潤さんの印象

この歳になると僕自身、先輩の部類に入ってきているので「これをやったらこの人がやりにくいかな」とか、気をつかうところがあるんですけれど、松本さんは大丈夫。今回は全風圧をかけていけます(笑)!それがSEASONから松本さんと築き上げてきた僕たちの信頼関係です。
面倒見もよくて、投げて帰ることはしない。”自分だけ”の人ではない。全部が完了するまで関わるところが素晴らしい人です。主演として、ちゃんと自分が管理して統治下におく…そういう武将が昔いただろうなあ(笑)。目立ちたいとか、自分の芝居がいい評価を受けたいではなく、「全体を統括して引き上げて、戦で勝つ!」(笑)。
シュートを打つだけが好きとか、シュートしか打てない主役にパスを回すのは当然だけど、松本さんは、パス回しをしながら、バックパスもして、どこにでもボールを回す。シュートを他の人が打ってもいい。試合の動きをすべて見ているような方ですね。

Q SEASONからのキャストについて

写真 僕は『99.9』のチームは、サッカーチームに似ているなと思っています。アイデアがあるスペースにボールを出したら、誰かがそこにちゃんと行っている。ストライカーの選手も「そんなところにボールが来るの!?」と驚かないで「そこに来るよね」と、わかり合っている。
それは、撮影のカメラが回っていない時にも、お互いの会話のセンスとかスピードとか回転を確かめ合っているからこその間柄でしょうね。セリフという鎧を着ても我々は軽やかにすごいスピードで走れることがわかったので、今回も走ってパスを回しているだけです。
やはり『99.9』は、ほかのドラマとは一線を画している。簡単に言えばそれはアドリブのことですが、それをみんな楽しめる人たちが偶然集まっていたなと。の最初ではわからなかったことですね。

Q SEASONでやり残したことはありますか?

やり残したことがあるとすれば、脚本のことですね。SEASONの時、途中から連ドラの宿命で、脚本が追いつかなくなってしまった。撮影の直前にあがってくるので「これは”つじつま”が合っていない」という内容確認の作業と、親父ギャグも考えなきゃいけない。真面目さと危うさのバランスをどうするかの話し合いをするために、台本があがってくるのを撮影しながら待つことが本当にきつかったです。松本さんとも「をやるなら、今度は全部台本あげてからだね」という話をしていましたし、それがSEASONでやり残したことといえばそうなのかもしれません。今回は撮影スケジュールも(早く撮影を始めたりと)イレギュラーなので、脚本があがっている段階でやらせてもらっています。それは1つ前進です。
また、でも注意していたのですが「刑事事件専門弁護士」がゆえに刑事が事件を追っているように見えないようにするにはどうしたらいいのか、というのがテーマでした。我々は弁護士であって刑事ではない。その違いをどうするかとなったとき、その中のアイデアの1つが「自由に発想する弁護士」でした。深山というキャラクターがふざけることの意義がそこにありました。それがうまく合致して、松本さんがより自由に何をやってもいいという環境の中でのお芝居を見るのが、本当に楽しかった。の撮影でそれにいきなり出会えて嬉しいなと思う一方で、SEASONをご覧になっていなかった方がいるとするならば、からの本歌取りみたいなことをやっても置いてけぼりになってしまうので、そこは、今回注意しなければいけないところですよね。いろんなものを詰めて前に進んでいます。おもしろい作品になっていると思います。

Q 『99.9』といえば親父ギャグですが…

写真 あれに対するみんなの貪欲な姿勢、すごいですよね(笑)。
2話での話になるんですが、2話の撮影現場で相当のレベルのギャグができましたよ。その親父ギャグを言うカットまで2時間もある長いシーンだったんですが、松本さんはそのカット目がけて親父ギャグのベストな言い方を模索すべく、素振りをずーっとしていました。レコーダーにギャグを録っては聞いて「ここをもうちょっと(声を)張って、ここを短く言ったほうがいい?」とか。どう言ったらお客さんに届いて、小さい子から大人まで「ぷっ」って笑えるのかを引き出すために、100回は言っていました。もはやレコーディングの域でしたよ。
あのシーンはもう唖然。あれはおもしろかった!そのギャグを言うカットが来たのは、だいたい深夜1時だったのですが、夕方からずっとそのシーンの素振りをしている姿を見て「すげえなあ。こんなドラマだったなあ」としみじみ思い出した瞬間でもあります。
親父ギャグ1つとっても、やっつけで言っているわけではないです。もしかしたら一番クリエイティブなところだと思います。総力で考えているんですよ。撮影の当日に出ることもありますし、前もって木村監督から出ることもある。もしくは、美術制作の高橋さんも親父ギャグが大好きだから、彼から提示があったり。我々もそれらを踏まえて「これがいいんじゃない?」と皆で考えている日もあります。非常にクリエイティブな作業です。おそらく、コピーライターが「何をキャッチコピーにするべきか」と模索するのと似ているんですよね。親父ギャグだけど、そこまでのレベルにいるような気がします。楽しいですよ。

Q 新キャストについて

写真 木村文乃さんが、この『99.9』の撮影現場が楽しいと他の現場で言ってらっしゃると聞きましたが、出来上がっているところに新しく入っていくことは大変だったと思います。
我々がSEASONでやったことは、今思うと奇跡的なことで、僕はセリフ以外のことばっかり言ってたと思うし、それをセリフの合間合間に早口でいれて、もう音声さんが気が狂うくらいに他の出演者のセリフと重なっていたと思います(笑)。セリフ以外で何を言うかというと、主にその場で思いついたことで、毎日バラエティの生放送に出る覚悟でいる感じでした。
そんなことを突然やられたらびっくりしますよね。皆さんが犠牲者だったと思います(笑)。でも木村さんも馬場園さんも、そんなバックグラウンドを背負っていらっしゃるから、芯の強さが2人ともあります。ぐっと留まっているところがいい。今度はこの人たちをどう笑かそうかと燃えてきます。いいカンフル剤になっています。溶け込みきられても変な感じがすると思っていたのですが「私たちSEASONからですので。そんなことやられても困るので」と、ぐっと留まってちゃんと一線を画している2人がすごくいいです。
木村さんは横でうるさいキャラクターがまくし立てているのを受けて、いい感じの女房感があるし、馬場園さんもマイペースで、いいクッションになっているんです。
SEASONの同じ土俵にのぼることだけが正解ではない。すごいおもしろいキャラクターになっていると思います。

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