Interview

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花巻みこと役 / 福士蒼汰さん

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原作についての印象は?

原作は1〜3巻で終わっていますが、その中にはたくさんのエピソードがあって、何回泣かされたんだろうと思うくらい、たくさん感動しましたし、自分の考えや想いにフィットすると感じることがたくさんありました。
人の核心に迫るストーリーがとても多く、その一つひとつがグッとくる、感動できる作品だったので、ぜひ自分が”花巻みこと”を演じみたいと素直に思いましたし、ほかの人が演じるのを想像したくないとも感じました。
TBSドラマは2クール連続の出演ですが、ドラマで主演をするのが2年ぶりなこともあり、撮影現場での時間の使い方やドラマで主演を務めることについて、あらためて考えているところがあります。

今回演じる花巻みことはどんな人物でしょうか?

いわゆる一般的な青年で、ごく普通の人。きょうだい思いの優しい男性ですが、手をあわせれば“人の最期が視える”という特殊な能力を持っているが故に、自分のことを変な人間と感じてしまうほか、性格などにも影響を受けているのかなと想像しています。
それと、父親が再婚したことで廉と沙羅と藍というきょうだいが出来るという大きな出来事があり、それからすぐ父親が亡くなってしまう不幸があり、そんな中で、新たなきょうだいたちが自分を迎えてくれたという大きな変化も、みことの人格形成に大きな影響を与えていると思います。
血の繋がった人がこの世に居ない中、血が繋がっているように接してくれるきょうだいの存在は、とても大きかったのだろうと考えています。

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そんなみことに共感するところはありますか?

共感できるところは、いろいろ多いと思います。
例えば、フィクションの部分ですが、自分にも“人の最期が視える”という能力があったとしたら、その人の運命を伝えるべきかどうか? みことと同じように葛藤すると思いますし、死期を知ってしまった最愛の人・沙羅に寄り添って生きていくべく、最善を尽くすだろうと想像しています。
“どう生きていくのか?”と、みことが悩んでいるように、物思いにふけたりとか頭で考えたり、特殊能力を持つが故に感情的になるとか、そういった葛藤は必然でしょうし、ドラマの中でもそれが強く出ていると思います。

きょうだいを演じる共演者の印象は?

撮影が始まる前にポスター撮影がありましたが、スタジオであいさつをした瞬間から、スッと家族4人になれた感覚がありました。なんの違和感もなく、みなさんそれぞれがそれぞれ演じられるポジションで会話が進むというか、とても自然な感じで家族の空気感を共有することができました。
撮影に入ってからも、変に気を遣うこともなく、とてもスムーズにできていると思います。家族団らんというか、同じ釜の飯を食うというか、一緒に作品を作っていると、どんどん仲良くなっていくというか、日を追うごとに家族になっていると思います。
例えば、花巻家のシーンで「ただいま〜」とみことが帰って来た時、「あれ、ねえさんは?」「廉兄は?」「藍は?」と、さりげなくきょうだいを確認する、その感じが何だかリアルに思えています。
沙羅を演じる菜々緒さんは、沙羅の感情を表す仕草などのチョイスが可愛らしくて、一緒に演じていて思わずクスッと笑ってしまう時があります。
花巻家の愛犬・シロについても、動物好きにはたまらない存在です(笑)。自分は動物全般が好きで、とくにイヌは昔飼っていた経験もあるので、暇さえあればシロと遊んでいます。

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みことと沙羅の関係性について想うことは?

沙羅は、とても天真爛漫で朗らかで、意志が強いところもありますが、みことにとって太陽の様な存在だと思います。でも、みこと以外の人たちにとっても、太陽のような存在なのだろうなと想像しています。
そう、みことが救命士になったのは、沙羅の存在が大きいと思います。自分の父親が亡くなるとき、自分が助けられなかったという後悔の念を抱いたと思いますが、そんなとき、沙羅という新しい家族の「これからたくさんの人を救えばいい」というような言葉がずっと心の中に残っていて、それを原動力に、目の前で倒れた人の近くにいて真っ先に助けの手を差し伸べられる救命士になりたいと、みことは考えたのだろうと思います。

みことを演じる上で意識していることというと?

幼い頃に実母と死別して、父親が再婚して新しい家族が出来て、でもすぐに父親を亡くして…と、みことの生い立ちを考えるのはもちろんですが、それと同じくらい“みことと沙羅”の距離感は考えます。
みことは小さいころからずっと沙羅に想いを寄せているので、そんな片思いしている感じは意識していますが、露骨に片思い感を出してもダメだと思うので、その加減が難しいです。
救命士としてのみことは、仕事に就いて3年目ということもあり、もう一人前のレベルではあると思いますが、“人の最期”が視えてしまうことで感情的になってしまう部分がある。でも、みこともプロなので、その心の乱れ加減は、気を付けて演じていきたいと考えています。

救命士という仕事の印象は?

撮影に入る前、本物の救命士の方たちからレクチャーを受けましたが、見ていてとてもかっこいいなと思いました。3人一組の救命活動は迅速かつ丁寧で、さらに焦りはないという。まさに、人命を預かるプロです。
それと、作業着が暑い! 感染防止服に手袋、ヘルメットなど、真夏でもあの恰好をしているので、演技をしていてとても暑いです(笑)。お医者さんも言っていたのですが、救命士の方は汗だくで、いつも暑そうに仕事をしているそうです。撮影が8月末から始まりましたが、今年は9月も暑かったので大変でした。

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もし自分にみことと同じ能力があったら?

ものすごくいろいろ悩むと思いますが、最終的に自分は“視えたこと”を相手に伝えると思います。でも、みことと同じように葛藤するでしょうし、できれば言わないでその人の運命を変えられないかなと考えるでしょうね。
ちなみに、菜々緒さんは「私はすぐ言う」と言っていました(笑)。本人に伝えた上で最後の時間を無駄にしないというか、どう過ごすかを本人にも決めてもらいたいそうです。それも前向きな感じがして、いいなと思いました。

最後に、このドラマのみどころというと?

家族の絆や禁断の愛など、このドラマにはたくさんの要素がありますが、みことの救命のシーンは一つのポイントで、大事なフックになってくると思います。救命シーンの緊張感や鬼気迫る雰囲気など、物語に陰影をつけてくれている部分です。
それとやはり、家族やきょうだいの物語なので、みことと沙羅、廉、藍の関係性がどうなっていくのか? そこは大きな軸ですので、展開を楽しみにしていただけると嬉しいです。
とても愛情あふれる作品になっていて、そのピュアな愛情が故にぶつかったり、葛藤したり、愛しあったり、たくさんの想いがみなさんに響く作品になっていると思います。

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  • 写真花巻 藍役 / 横浜流星さん
  • 写真花巻 廉役 / 桐谷健太さん
  • 写真花巻沙羅役 / 菜々緒さん
  • 写真花巻みこと役 / 福士蒼汰さん

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