原作についての印象は?
このドラマに出演させていただくことになり、まずは原作の世界観というか空気感を大事にしたいと思いました。脚本に関しても、切ないストーリーではありますが、温かく包みこんでくれるような世界観を感じられました。
“人の最期が視えてしまう”という特殊な能力を持つことで悩みつつも頑張るみことから、自分も勇気をもらえましたし、日々、何気なく過ごしている日常を、あらためて大切にしていきたいと思いました。
今回演じる花巻藍はどんな人物でしょうか?
高校生なのに大人びている人です(笑)。家族と一緒にいるときが、いちばん自分らしくいられる場所でもあり、お兄さんたちもそう居させてくれるのがわかります。
でも、一歩外へ出たとき、学校にいるときなどは、いろいろと周りを見すぎてしまう部分があるというか、何か達観している感じがありますが、それは周りがよく見えているからこその、藍の優しさだと思います。
そんな藍を演じる上で気を付けているポイントは?
撮影に入る前、最初の本読みのときに「トーンが低すぎる」とアドバイスされたので、明るくしようというのは意識して撮影に臨みました。
それと、家族のシーンは大事に演じたいと考えています。特に、廉兄に対する“ツッコミ”というのはポイントだと思っています。気を付けないと冷たい感じになってしまうので、良いさじ加減で“愛のあるツッコミ”に感じてもいたいですし、みこ兄や姉さんたちとの、きょうだいの距離感はとても意識しています。
実は、自分は長男で普段は面倒を見る側なので、末っ子というポジションに難しさを感じていましたが、年上のきょうだいを演じてくれるみなさんがとても優しくて、自然な感じで末っ子ポジションを作ってくれています。
藍として精いっぱい生きていきたいと思いますし、廉兄とともに藍の立場でみこ兄を支えていきたいです。
きょうだいを演じる共演者の印象は?
福士蒼汰さんは、とても穏やかで優しい雰囲気の方ですが、ジークンドーや空手をやってらっしゃっていて、僕も極真空手をやっているので、共感する部分を感じています。
桐谷健太さんも格闘技をやられているので、空手の話など、フランクに接していただいています。とても優しくてユーモアがある方で、現場の良い雰囲気を作ってくれています。
菜々緒さんは、テレビで拝見している姿をみると、芯の強い女性という印象でしたが、とても優しくて、一緒にいて心地がいい方です。
今までは同世代との共演が多かったのですが、最近は先輩の役者さんと共演する機会をいただいていて、お芝居のことや現場との向き合い方など、学ぶことがたくさんあります。
藍は料理が得意だという設定ですが…
“料理男子”という設定の藍を演じるために料理の勉強をしましたが、料理作りには全く縁がなかったので難しいですね。
でも、練習としてハンバーグや餃子などを作りましたが、自分で作って食べるとおいしいんだなと思いましたし、いちばんに思ったのは母の偉大さです。こんなに大変なことを毎日やってくれていたんだなと、あらためて考えましたし、感謝の気持ちが大きくなりました。
まだまだ手際がよくありませんが、藍にとって家族のみんなに料理をふるまうことは、花巻家の大事な役割ですし、いろいろな藍の想いも入っていると思うので、もっと上手く演じられるよう頑張りたいと思います。
藍の恋愛模様も描かれていますが、演じるお気持ちは?
遠藤琴ちゃんとの関係性ですが、藍としてはまだツンツンした対応なので、いつ藍の“デレ”がみられるのか? 僕としても、ちょっと楽しみです。
琴に対して、藍は冷たい感じの接し方ですが、2人でいるときは、ちょっと心地よさを感じていて、実は嫌いではないと思うので、あまり冷たい対応に見えないよう、気を付けています。
いつかはわかりませんが、藍の“デレ”が出たときに、観てくれている方たちに萌えてもらえるよう、“ツン”と“デレ”の落差を出せたらいいですね(笑)。
もし自分にみことと同じ能力があったらどうします?
大切な人が余命1年ということを知ってしまったら、より大事にしたいと思いますし、その未来を変えられないかと、最善を尽くします。
余命のことを大切な人に伝えるかどうか? 福士さんたちとお話しをしたことがありますけど、人によって気持ちが違うんだなと思いました。たぶん僕は、伝えずにいて、そのことに気づかれないよう、大切な人を守っていくと思います。
最後に、このドラマのみどころというと?
家族の関係性や禁断の愛や、大切な人の最期を知ってしまったら…など、ただ設定だけを聞いてしまうと重たい物語だと感じてしまうかもしれませんが、それだけではなく、切なくて、でも心が温まるようなドラマになっていると思うので、どの世代にも響くものがあると思います。
みことと沙羅の恋愛模様の行方はもちろん、2人に対して藍と廉兄はどんな感情を抱くのか? 家族の関係はどう変わっていくのか? それとも変わらないのか? たくさんの方に観ていただいて、いろんなことを感じていただけると嬉しいです。
僕個人としては、一生懸命料理を頑張っています! 撮影が終わるころには特技が料理になっていると思うので、みなさんに料理をふるまいたいと思っています(笑)。
本当に切なく、そして心温まる作品になっていますので、ぜひご覧ください。