はじめに

有田哲平さん×本田翼さん 対談

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Q 原作を読んで

有田哲平さん(以下、敬称略):最初に読んだときは「自分がこれに出演するのか!」と言う感覚で読んでいました。「こんな顔してるのかな俺?」って(笑)。「嫌だよこんな人!38歳で童貞って!」って思いながら読んでいたのに、漫画を読み進めていくうち「自分がやったら出来るんじゃないかと思ってるけど、1個ずつどんどんやっていくと出来ないことに気付く。自分の限界がわかってきて、家にこもってしまう」という面で、だんだん主人公の富岡ゆうじに共感してきました。痛感していくんですよね、歳をとればとるほど。「これは俺出来ないやつだね」とわかる事が増えていくので、そういうところで共感したり、童貞だからとか、童貞じゃないとかではなく、女性に対するアプローチの仕方も共感できる。なによりも「友だちがほしい」ってところ。最初は「いやいや俺、友だちいるし!」って思っていたんですけど、何回も考えると…友だちいないんじゃないかなと思って。本当に…。だんだんわかってくるんです。富岡の気持ちが。何をもって友だちとするのか、仕事仲間というのか、同級生なのか、そういう部分を考えさせられました。

本田翼さん(以下、敬称略):楽しく読ませていただきました。ちゃんと自分で変わりたいと思って動けている1人の男性の苦悩が描かれている作品ですよね。有田さんがおっしゃっていたように「友だちってなんだろう」と改めて考えさせられたり、幸せを手にした瞬間に「これは自分の身の丈にあってなかったんだ」と思ってしまうあの感じとか、とても人間らしさが描かれている作品だなあと思いました。

Q 出演しようと思ったきっかけ

有田:ある日「ドラマどうですか?」とお話をいただいて…お仕事いただくのはありがたいことですが、単純にスケジュールが大変そうだというだけで、フラフラ〜っと、逃げてきたのは確かです。今回ましてや、主演のお話をいただいて驚きました。「主演でどうですか?」なんて言うテレビ局あるのかな?と思っていたらTBSさんでしたし、じゃあどんなスタッフかと思ったら、『カルテット』とか『逃げ恥』やっているスタッフさんでしょ?もう、がんじがらめじゃないですか。NOっていう理由がない(笑)!「いかがでしょうか」とお話をいただいたのと同時で「そんな言っていただけるのでしたら!」と、こっちのほうから押し切りました。バラエティ番組だと「来週から撮影なんですけど」と言うのはよくある話で、けれどドラマは1年も前からお話をもらえるので、スケジュールも調整してやってみるか!となったんです。けれど…撮影開始が近づくと「休みなくなるのかな?」とか「身体壊れるんじゃないか」と、後悔し始め(笑)。だけど、やっぱりやり始めたら、楽しいですし、勉強の毎日です。

本田:私の決め手は…有田さんです。皆さん有田さんですよ。有田さんがやると聞いただけでおもしろそうじゃないですか!

有田:(笑)。そうですか!?初めてのドラマですよ?

本田:初めてだからおもしろいんじゃないですか!ぜひ関わりたいなあと思いました。
私が演じる羽田梓という役も、すごくおもしろそうだなと思いましたし、あまり演じたことがない役柄で…でも、そこよりも何よりも、まず有田さんですね。まず有田さん!

有田:僕もさっき間違えました…きっかけは本田さんでした。

本田:まだキャスティング決まってなかったじゃないですか(笑)!

有田:いやいや。本田さんって名前があったからです!

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Q 実際演じていかがですか

有田:コントはやっているので、演じることがまったくの初めてというわけではないのですが、コントとか漫才は基本的に会話だけじゃないですか。「僕がこう言ったから上田がこうツッコむ」と。けれど、ドラマになると、心の声だったり、富岡の独り言を言うシーンも出てくる。漫画を読ませてもらっているので、わかるのですが、富岡って友だちがいないからか、独り言が多い男なんです。でも、僕、家でテレビに向かって何か言うとか「何しようかな今日」とか、独り言を言わないんですよ。バラエティでも、独り言を言うことないじゃないですか。ロケで撮影があっても「あれ?たしかこの辺だったと思うんですけど〜」とか言いながら歩くのも、スタッフさんに話しかけるとかして、言わずに来ました。なので、今回、どういう言い方をすればいいか、そこにすごく悩みました。それで、出演者の皆さんに取材をしたんです。本田翼さんにも、光石研さんにも、メイクさんにも。「独り言って言いますか?」って。そしたら意外と言うらしく、お酒飲んで酔っ払って「なんで私があんなこと言われなきゃならないのよ。頭にくる、ホントに!」って、メイクさんなんか怒りながら帰るらしく(笑)。光石さんも「言います言います」っておっしゃってて…

本田:私はテレビに向かって「そんなことないじゃん!」って言いますよ(笑)!

有田:(笑)。だから、これは僕が普段言っていないだけで、言う人が多いんだなって。そういう取材をくりかえしていました。それから「どのくらいのワードいいます?“こんなんおかしいじゃん”と言うとします。だけど、2行目は?“こんなんおかしいじゃん。だって○○じゃん”と2行目まで言いますか?」とさらにステップアップして聞いて、「いや〜2行目はないな」と言われたり(笑)。

Q ドラマの台本だと3行くらい独り言ありますよね?

有田:そうなんですよ。3行くらいあるんですよ!難しい独り言が。
ドアノブ見てポソポソ独り言を話していたと思ったら、今度は心の声で話しているとかもあるんですよ。いっそのこと、全部心の声でいんじゃない?!と。心の声と独り言の声の違い…そういうところがドラマならではなのかな。

本田:こんなに独り言のあるドラマも珍しいと思いますよ(笑)。

有田:富岡はひとりぼっちだからね。
はじめて監督さんにお会いしたとき「何か質問とか疑問ありますか?」と訊ねられて「独り言って言わなきゃダメですかねえ」って聞いたくらいです(笑)。

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Q 演じるにあたってスタッフとの話し合いは何かありましたか?

有田:初めての経験だったんですけど、「顔合わせ」というイベントがありまして。顔合わせがあると聞いて「はいはい」って軽く返事したんですよ。会議室でやると言っていたので、監督とかキャストとかの何人かでやると思っていて、さらに「本読みもあります」と聞いて。これも「はいはい」と思っていたんですけど、実際行ってみたら、会議室の中にブワーって100人くらいのスタッフさんがいて(笑)。さらにキャストからの挨拶が全員一言ずつあったりなんかして。驚きました。
それでいよいよ本読みのときに、監督からは「大胆にいけ」と。別にここでやったことがそのまま決まるわけじゃないから、ここで試したことで、のちのち考えますから…と言われました。

Q じゃあ、そのときからすでに役に入り込まれていたんですね

有田:そんなわけないじゃないですか!!僕初めてですよ!?僕も人見知りなので、知らない人の前で話すなんて!そんな!
でも、どうやらいつもと勝手が違うらしく、3話分ぶっとおし本読みが行われたんですけど、だんだん本読みに慣れてきてたみたいで、終わったら「途中から変わりましたよね?あの感じよかったです。飽きられてましたよね?」と言われて、やっぱりさすがだなって(笑)。
最初の本読みで言われたのはそれだけですね。「とりあえず大胆にやってみてください」と。

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Q 本田さんが演じられる羽田梓も脚本を読むと、ぶっ飛びキャラで大変そうだなあと

本田:難しいですねえ。今でもまだ難しいです。
漫画とドラマは、やるとなると全然違いますよね。漫画は、途中の描写を飛ばしていたりするから、なりたつ。けど、ドラマでは、描写を飛ばしている部分を芝居で繋げなければならない…。漫画だとテンションが高いけど、これをそのままドラマでやったらおかしくなっちゃうし、バランスが…とにかくすべてが難しかったです。とは言っても、羽田さんは漫画とは少し違うキャラクターになっています。漫画より普通っぽいというか、人間らしくなっているというか…そこもまた難しい!それはそれで悩むんですよね。羽田さんがそのまま人間らしくなったらどうなるんだろう。でも普通になりすぎてもなぁとか。セリフの内容も漫画よりも普通の内容で、これをどういうテンションで読めばいいんだろうとか。いまだかつてないくらい悩みました。

有田:そうなんだ!確かに頭おかしいもんね。ここに出てくる皆。

本田:そうなんですよ。みんなおかしいんですよ!本当に難しかった。羽田さんはテンションの波もすごいし。コマが変わると急に泣いてたりとか。この気持ちを読み取るのが難しかった。自分が演じて、本当に難しかったです。

Q 有田さんから見た本田さんの印象は?

有田:変わりました。最初はどっちかっていうと、清楚で大人しくて、優等生な可愛らしい王道の…

本田:(イメージ)合ってますけどね!

有田:実際は、こう、すう〜っと溶け込めるような。

本田:そのイメージのままでいってほしいですけどね!

有田:このドラマって、本田さんの今までの感じと少し違うんですよ。
何作品か拝見させてもらっていますけど、可愛らしい役だったり、怖いなって思う役はありましたが、今回はセクシーで挑発的なところも多い。“今までにない本田翼”が見られるんじゃないかな。

本田:…ありがとうございます

Q 本田さんから見た有田さんは?

本田:(原作漫画の絵と見比べて)!!!あれぇ〜!!富岡さん!?みたいな感じです(笑)。本当に富岡さんです。そして、すごくお芝居しやすくしてくださる方です。
作品では、羽田さんと富岡さんのテンションは逆なんです。富岡さんがテンション低いときは羽田さんが引っ張っていって、羽田さんがテンション低いときは富岡さんがちょっと頑張る。その演じるバランスがお互いちょうどよくて、お芝居しやすいです。

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Q 演じてみておもしろかった役者さんは?

有田:いろんな方がいらっしゃいますよ。光石研さんだったり、賀来賢人くん、吉村界人くん…村上淳さん。待ち時間にいろいろお話を聞かせていただくのですが、先日はそれぞれの“俳優についての考え方”を聞くことができて、おもしろかったです。「俳優とは、演技とは、と語る奴が大嫌いだ」という方もいたし「演技プランとかどう考えていらっしゃるんですか?」と聞いたら「何にも考えてないです」という方もいらっしゃいましたし。
演じる上で、俳優の畑の中に入っていくので、イメージでは監督のところに台本を持って行って「監督。僕はこう思うんです!」とか言うのかなと思ったら、意外と和気あいあいとした撮影現場でした。皆で一緒になってつくろうという感じのチームです。

Q このドラマのみどころ

有田:「僕の初主演の演技を観てください」言いたいところですが、15秒の予告動画を観るだけで、真っ赤になるくらい恥ずかしいです!恥ずかしいので「ぜひ僕のドラマを観てください!」とは言わないですけど、ドラマの主役といったら、イケメン俳優がたくさんいらっしゃる中で、僕が抜擢されたので、いつもと違った見方が出来るんじゃないでしょうか。同じラブストーリーだって「(イケメンだから)そりゃそうっしょ」って思うのではなく、僕だからこそ「おおっ!」と感心しながら、不思議に思いながら、いろいろな感情で観ていただけるんじゃないでしょうか。
芝居やりながら自分でも46歳にして「わかるわ〜」と共感することが多いドラマです。ドラマだから何でもアリなだけではなくて「あるある。こういうこと!」と、共感しながらも観ていただけるドラマになっていると思います。

本田:非現実的な内容かと思いきや、そこにはリアルな内容もあって、観ている人間の孤独に刺さるような内容になっています。共感も出来るし、自分も変わろうと、立ち上がる後押しをしてくれる作品になっていると思いますので、ぜひお楽しみください!

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