インタビュー interview

田村 心 竹内涼真 さん

Q. 日曜劇場で主演を務めるお気持ちは?

今までドラマをやらせていただいた中でも日曜劇場への出演は多く、僕自身も昔からこの枠が大好きで、今でも楽しみにしている枠なので、主演を務めさせていただくことは、心から嬉しいことですし、とても気合が入っています。

Q. 原作や脚本を読んだ感想は?

普段はあまり漫画を読まないのですが、この原作は一気読みしました。台本になっても、原作のおもしろさはもちろん、ドラマになったおもしろさも感じられました。
台本は最後までできていないので、この先、台本を読み進むにつれ、次々とびっくりする展開があるはずなので、今から楽しみにしています。
この「テセウスの船」はミステリーの要素が柱となっていて、僕が演じる田村心は殺人犯の息子という苦しいイメージが先行しますが、家族を描いた作品でもあります。背負ってきた悲しい運命と向き合う決心をした主人公が、過去へタイムスリップすることで物語が動き出します。そこで、いろんな試練とがむしゃら立ち向かうことになりますが、一方で、くすっと笑えるような、そして温かな家族の情景も描かれますし、いろんな味わい方のできるドラマだなと、心を演じながら感じています。

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Q. このドラマの見どころというと?

まずミステリー作品として、このドラマのいちばんのカギとなる「父親は、本当に殺人犯なのか」というところです。過去へタイムスリップした主人公が、過去を変えるために、がむしゃらに行動を始めるのですが、そこにはいろんな伏線があり、登場する人物それぞれが怪しく見えるなど、最終回までドキドキしていただけると思います。
そして、“家族の絆”という視点でも、たくさんの見どころがあります。過去のシーンで描かれる“温かな家族の情景”と、それによって揺れ動く心の心情は、とてもおもしろいと思うし、気持ちを揺さぶられるものがあります。撮影はとても大変ですが、キャスト、スタッフの皆さんと共に頑張っています。

Q. 田村心という人物はどんな男だと思いますか?

父のことで、いろいろと虐げられて育ち、そのために必要以上に自分を抑制して生きている男だなと、演じていて感じます。いろんなことを我慢して生きてきた“強さ”はあるし、性根はとても優しい男ですが、それとは裏腹に、もろさみたいな部分も抱えていると思います。 台本の母親のセリフで「人前で笑ってはダメ」「お父さんはいないものと思いなさい」といった言葉があるんですが、実の母親にそんなことを言われたらキツいですよね。

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Q. そんな心を演じる際に気を付けていることは?

冤罪を訴えて獄中にいる父は「本当に殺人犯なのか?」と、父を信じたい部分と、「父親のせいで家族がバラバラになり、暗い人生をおくることになったんだ!」という怒りの部分と、両極の想いを心は抱えていると思いますが、タイムスリップして父と会うことで心の気持ちがすごく揺れるので、その心情やそのときの表情など、監督やスタッフの皆さんと話し合いながら、丁寧に演じるよう気を付けています。
「もういいや」と諦めていたことに対して、もう一度、命を懸けて向き合っていくところは、とてもかっこいいと思いますし、泥臭く演じていきたいなと思っています。多分、過去へタイムスリップしたら、「早く現代へ帰りたい」という気持ちの方が強いと思うんですけど、心は、家族の絆を取り戻す気持ちの方が強かったんでしょうね。過去を取り戻すために、がむしゃらになって立ち向かう主人公はとても魅力的ですし、そんな心を演じてみたいと考えています。

家族のシーンはとてもほっこりするし、笑える会話もたくさんありますが、自分の役柄として、笑ってはいけない部分もあるので、それが辛いですね。子どもたちとのやり取りもすごくおもしろくて、個人的にはすごく笑いたいし、もっと輪に入りたいんですけど、それができないもどかしさを感じています。一人だけのシーンでは、苦悩していることが多いので(笑)、子どもたちと一緒のシーンは楽しいですし、気持ちが安らぎます。

タイムスリップして31年前の過去に戻るという、ありえない現象がありますが、この世界観をリアルに感じ、感情移入していただけるよう、丁寧に演じていきたいと思っています。

Q. 父親を演じる鈴木亮平さんとのお芝居はいかがでしょうか?

本当に楽しいですね。何か迷ったことがあればすぐ相談しますし、すごく具体的なアドバイスをくださるので、とてもありがたいです。なんといっても、31年間、会ったこともない父親と遭遇するわけですから、亮平さん演じる文吾さんとの心の距離感をどう表現するか、とても難しいですし、その距離感で二入の関係性の見え方もガラッと変わってしまうので、そこはたくさん話しました。

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Q. 母親を演じる榮倉奈々さんや子どもたちの印象は?

子どもたち二人の遊びが止まらないときなど「はい、そろそろやるよ!」と、ピシッとシメてくださるのが榮倉さんです。自分は、ちょっと子どもたちを甘やかしてしまうところがあるんですが、榮倉さんは本当のお母さんのような頼もしさがあります。それと、現代のお母さんと過去のお母さんを演じる榮倉さんの存在も、このドラマの大きなポイントだと思います。
白鳥玉季ちゃんも番家天嵩くんも、この歳で物怖じしないというか、とても元気ですし、一緒にいて楽しいです。玉季ちゃんは「凪のお暇」を観ていて、いつか共演したいと思っていたら、このドラマで夢が叶いました。いま、いちばん共演したかった女優さんなんです(笑)。

Q. 撮影現場はいかがでしょうか?

原作になぞって雪のシーンが多いので、本当に雪が降っている場所でロケをするほか、それだけだと撮影が追いつかないので、人工雪やCGを活用するなど、雪景色の再現はとても大変ですね。特に大変なのが、冬場の撮影だということ。日照時間が短いので、どうしても日中の撮影は時間との勝負になってきます。キチンと作り込まなければいけないシーンが多く、それだけ時間もかかってしまうけど、すぐ日が暮れてしまう…。限られた時間内で奮闘するスタッフの皆さんは、本当に大変だと思いますが、みんなで頑張って撮影したシーンは、とても良いものに仕上がっていると思いますので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。

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Q. 最後に、視聴者へメッセージをお願いします!

亮平さんが演じている過去の文吾さんは、ある意味、理想の父親像だと思います。ユーモアがあって優しくて、そして村の人たちにも信頼されている。そんな父親がなぜ、殺人犯として逮捕され30年以上も投獄されているのか? 心は過去の父親と現代の父親と、どう向き合っていくのか? 真犯人は誰なのか?
そんなところがこのドラマの大きな柱ですが、それ以外にも、家族の絆や過去を取り戻すために奮闘する心の姿を、まずは応援していただきたいです。それと、心が忘れかけていた家族の絆や愛、家族との大切な時間が、過去のパートで素敵に描かれているので、日曜日の夜に、皆さんの家族や大切にしている方と一緒に観ていただければと思います。

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