インタビュー

時任三郎さん(倉木泰典役)

ご出演が決まったときの感想を教えてください。

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海でも山でも空でも僻地でのロケが大好きなので、台本を読んだとき、この話は面白そうだな、と感じました。 山の診療所という存在も知りませんでしたし、実際にそういうところに情熱を燃やす先生がいると聞いて、倉木というはどんな人なんだろうと興味を持って読ませていただきました。ひと言で「お医者さん」と言っても、いろんなタイプの医者がいて、外科に向いている人、内科に向いている人、皮膚科、歯科など専門分野に向いている人もいます。倉木の設定を聞いて、医者という固定概念を破ったところに存在している人だということに興味を持ちましたし、是非演じてみたいと思いました。

時任さんご自身と似ている部分がありますか?

演じるときには自分にない部分を作り上げるのも面白いですけれど、自分との共通点を発見したり、照らし合わせてみたり、そういう作業も面白いですので、自分の中にあるものを倉木にどれだけ反映できるか、ということは考えました。倉木は大学病院という大きな組織の中にいながら、自由に診療所に行ったりしていて、周りから異端視されていると思うんです。それでもいっこうに構わずに自分の生き方を貫こうとするというのは面白いと思いますので、やれることは、いろいろやってみたいと思っています。

倉木先生は白衣を着ていらっしゃらないようですが…

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ルールとしては、白衣を着なければいけないということはないんだそうです。確かに調べてみると、白衣を見るだけで血圧が上がってしまう人とか、泣いてしまう子どもがいたりするので、気遣いで白衣を着ていない先生がいるということです。そういう部分に徹底的にこだわってやったほうが倉木の生き様も出てきますので、着ないことにしました。もちろん手術のシーンとかは別ですけれどね。

沢口先生とは対立している間柄のようですが…

大きい組織になると医療の本来の姿とかけ離れたことがたくさん生まれてきてしまうんだと思います。組織を維持するための機構になって、組織を維持するためのお金の動き方になって、人を助けるということから少しずつずれていく、それが良いとか悪いとかということではなく「そうなっていくもの」なのではないでしょうか。その中で「人が人を助ける」とは一体どういうことなのか、忘れてはいけない信念のようなものを倉木は持っているんだと思います。もちろん、沢口もそれをわかっているし、忘れてはいませんが、病院はこうじゃないと動いていかない、世の中はこうしないと動かないということをわかっている人間なんですね。根本的な部分はお互いにわかりあっているはずなので、立場として対立はしているんだろうけれど対立ではない、という微妙な関係だと思っています。

山での撮影はいかがですか?

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ぼくはまだ山荘まわりくらいで、山歩きのシーンはないのですが、山のロケは天候も変わりますから本当に大変です。ただ、ぼくは趣味として写真を撮っていますので、天気が変わってくれたほうが面白い写真が撮れたりするんですけれどね(笑)。 登山そのものは経験がないのですが「歩く」というのはすごくいいことで、人の基本だと思っています。歩いているといろんなことを考えたりアイデアが浮かんだり、乗り物に乗ったとたんに見落としてしまう、そんな景色を感じることも出来るので、チャンスがあればカメラを持って登山に挑戦したいですね。

共演者の皆さまとの雰囲気はいかがですか?

皆さん、キャラクターがたっていて面白いです。向井くんがぼそぼそと何かを言うのを良く聞いていると、とても面白いことを言っているんです。バランス感覚があって、世界観を壊さずに場を盛り上げていて、面白いですね。尾野さんはサバサバした感じで、とてもいいですし、二人とも根が少年少女的な、無垢な感じがありますし、笹野さんも面白い人で、一番子どもみたいです。松重さんは、実はぼくより5歳年下と聞いて、一度「おい松重!」と呼び捨てにしてみたのですが、お互いにものすごい違和感があったのでやめました(笑)。

ご覧の皆さまにメッセージをお願いします。

「医療は産業」という形で組織が膨れ上がっていく中で、医療の本質、人が人を助けるということが一体どういうことなのか、もう一度見つめなおしていこうというドラマです。それを表現するための山の診療所ですし、そこで起きるさまざまなこと、そこで生活している人、大病院で働いている人、さまざまな人生がそこにあります。そういう部分を楽しみつつも、医療の本質というものを交えながらストーリーが運ばれていきますので、人が人を助けることとは何だろうということを一緒になって考えていただければいいなと思います。