インタビュー

向井理さん(速水圭吾役)

脚本を読んだ感想を聞かせてください。

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身近なことではないですし、あまりイメージできませんでした。山ということで、いわゆる既存の医療ものとは全然違うものになると思いましたね。
研修医とか山荘の人とか登場人物が多いですが、キャラクターがしっかり動いているので、ほんとに厚みのある脚本だと感じました。それぞれの見せ場もあって、ぼくも作品に参加している側ですけれど、見るのも楽しみです。
山小屋は本来、レジャーで来る人たちの休憩所でもあるので、楽しいところは緩ませて、緊迫したシーンとのメリハリがつくドラマになっています。大変なシーン、山小屋での楽しいシーン、両方楽しんでいければいいなと思っています。

登山の経験はありますか?

お仕事で一度だけ海外で4000mくらい登ったことはありましたけど、その一回だけです。山は特殊なので、都内の道をテクテク歩くのとは歩き方と呼吸の仕方が全然違うんです。ただ実際に登るわけではないのでつらくはないです(笑)。山頂を目指す話ではありませんし、山登りの魅力を感じるキャラクターでもないので、今のところあんまりそういうところに重点は置いていません。

医者の役は初めてとのことですが、演じてみていかがですか?

いつかやる機会がくるかもしれないと思っていましたけど、「大変そうだな」というイメージが強かったんです。でもやったことのない役は全部やりたいので、そういう意味では興味はありました。
役柄としてはテクニックのある先生なので、イメージトレーニングと、実際の医療指導をしっかり受けて、緊迫した医療シーンも多いですがしっかり丁寧にやっていきたいです。手術シーンなどは、技術職ですし手元も自分でやりたいと思っているので苦労しています(笑)。
職業ものはすべて、自分が知らない、想像できないものなので、専門用語などはいつも自分で調べます。どの作品をやるにあたっても、わかるようにしてからでないと、そのセリフ自体言えません。ただの暗記だったら何も考えずに言えますけれど、本職の人だったら知識がありますから、そこで一瞬考えて、判断すると思うんです。例えばなんでこっちの薬を選んだのか、それは何が違って、どういう判断したのかというのは、ちゃんと薬の作用とか副作用、効果とかを知らないといけないので、薬と医薬品関係のものは全部調べましたね。

山の医療と、最新技術の間で揺れ動く役だと思いますが、どのように演じていらっしゃいますか?

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都心の病院であっても山であっても、人間と人間がぶつかることは恐らく変わらないと思います。人を救いたいと思っている医者がやっている「人命救助」ということは、大病院でも山でも変わらないと思うんですね。ただその効率の良さと言いますか、医療技術や対応できる患者の数が違うので、そういう考え方の違いで、対立していくとは思います。速水はそこで揺れ動いていくキャラクターで、方向としてどちらを選択するかは、まだわかりませんが、あまり先々のことを考えてやっていてもつまらないので、とにかく現状を必死にやっています。
実際に山の診療にあたっている先生に、設備の整った中では何でもできると思っていたのに、山の設備の整っていないところに行ったら何もできなくて鼻っ柱をへし折られたという話を聞きました。普段の設備に慣れていればいる人ほどやりづらさを感じて、ギャップも感じるんだと感じました。
速水には若いなりの信念がありますが、慣れないところでいろんな困難にぶつかる役です。挫折するところはちゃんと挫折して、そして乗り越えていってだんだん成長していくキャラクターですので、演じていて難しいシーンがけっこうありますが、そういうところはしっかり演じたいです。

オープンセットをご覧になった感想はいかがですか?

実際に小屋を建てていただいているので、大自然の中でのたたずまいなど、映像がとてもきれいになるんじゃないでしょうか。そういう意味で、映像的にも豪華になりそうだなと思っています。速水も初めてでとまどっていたりする役ですが、実際に初めてのことも多くて、そういう意味ではやりやすいです。でもちょっとしたことで撮影が中止になってしまったりするので大変ですね。都心とは違いますし、スタッフはもっと大変だと思うので、みんなでカバーしあってやっています。

共演者の尾野さん、時任さんの印象を聞かせてください。

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尾野さんはまったく初めてですが、いろいろ映画を見たりもして、とても興味ある女優さんでした。本読みをしてみて結構骨太な女優さんだと思いました。役柄としても、速水は遥に何かを言われてやるという、引っ張ってもらわないと成り立たない関係性なので、現場でもお任せしようと思っています。
速水と遥は今のところはお互いにまったく意見の合わない間柄ですけど、同じ医療という志があって、考え方とか方向性が違うだけで、この先だんだん距離感が変わって来るんだと思います。台本はもちろんですが、現場で生まれてくるものも演じているうちに変わってくると思うので、未知で楽しみです。
時任さんは作品としては2回目ですけど、その時はご一緒するシーンがなくて。でもとても気さくな方で、普通にアニキのような感じです。今回は都会から山に行く役ですので日焼けしてちゃいけないんですけど、最近海外ロケが多くて少し焼けてしまってどうしようかと思っていたのですが、時任さんにお会いしたら僕より黒くて、ちょっと安心しました(笑)。
周りの人たちが自分のキャラクターをしっかり作ってくれていて、どういうものをこちらに投げて来るのか、それにどう応えるかということが大事なので、あまりガチガチには作り込まないようにしています。若い人もベテランもいろんな方たちがいらっしゃって、共演したことのある方も何人かいらして安心感もあります。雰囲気を作るのはキャストだけではなく、むしろスタッフありきで作られていくものですので、大変なシーンが続きますが面白い明るい現場になると思いますし、実際に撮影に入ってみて手ごたえは良かったですね。

ご覧の皆さまにメッセージをお願いします。

日曜劇場という歴史あるドラマの中で、こうしていい作品、いいキャスト・スタッフに巡り合えたことはうれしいことですし、それと同時にプレッシャーを感じているのも確かです。自分の役への挑戦ということは置いておいて、作品として感じてもらいたいのは、人を救うことの原点、その大切さをもう一度改めてみていただきたいということです。
一つの命に対する思いというのは、きっとみんな一緒だと思うんですけれど、そういった医療の原点にスポット当てている新しいドラマです。みんな志が強くて、それぞれが正論を言っている中で起こる対立は誰も責められません。
機械が進んでたくさんの人の命を救える時代だからこそ、こうして生かされているという実感と、進歩した今だからこそ一つ一つの命を大切に、という部分を見て、身の周りの人に当てはめてみて命について考えてもらえたらいいかなと思います。