参院選関連ニュース10代が考える争点、消費税増でおこづかい減?

参院選の投票日まで1週間を切りましたが、今回は、選挙権が「18歳以上」となって3度目の国政選挙です。10代の若者はどんな争点に注目しているのか。ある高校を取材しました。
先週、都内の高校で行われた政治・経済の授業。そこで行われていたのは・・・。 「私たちの党は“守銭党”と言います。キャッチフレーズは“みんなのお金を守り抜く”」
高校3年生による“選挙戦”です。
主権者教育の一貫で、この日は「自分たちが政党を作るなら、どのような政策を掲げるか」がテーマでした。生徒の3人に1人は18歳で、今回初めて選挙権を持つ有権者。発言からは将来への不安が見え隠れします。
「皆さん将来不安じゃないという人、いたりしますか。保育、少子化や年金、社会保障、借金問題とか。それを解決するためには、消費税を増税するしかないんです」
問題解決のためには消費税の増税は避けられないと考えるグループが目立ちます。 中にはこんな提案も・・・。
「“独身税”の導入をして、35歳以上のかつ月30万円以上の稼ぎがある人で、独身である方に月1万円の税金を国に払ってもらいます」(速水えりいさん)
「独身税」のアイディアを発表したのは、速水えりいさん(17)。9月生まれのため今回の参院選の投票権はありませんが、授業を機に政治を身近な問題として捉えるようになったと話します。
「国民のために行っている政治というのを先生から教えてもらって、自分にも関係あるんだなと。投票権が18歳に引き下がったことも原因だと思うけれど、前よりは考えるようになったかなと思う」(速水えりいさん)
家族との会話でも、政治が話題に上ることはほとんどなかったと言いますが・・・。
「消費税10%に上がったら生活で困ることないの?」(えりいさん)
「えりいのお小遣いを減らせばいいだけで」(母親)
「結局はどこかで絞らないと」(父親)
「国債は発行できないから」(母親)
「それで自分のお小遣い減らされる子どもが出てきたら」(父親)
「そしたら立ち上がる。問題が身近に出てくると、立ち上がるんだろうね」(姉)
暮らしに直結する問題では、議論も活発なようです。
この日、えりいさんの姉とともに期日前投票を済ませた父・良一さんは・・・。
「きょうを受けてだけど、選挙のきっかけの時には今の国の問題とか、自分はこう思うとか、考えは話したいなとは思う。子どもたちに」(速水良一さん)
一方で、若者の政治への関心が高まっているとは言えない状況が続いています。投票年齢が「18歳以上」に引き下げられて以降、国政選挙はこれまで2回行われましたが、10代の投票率は全体と比べても大きく下がりました。
「3年前の参議院選挙に比べると、生徒の側も社会の側も少し熱が冷めているように感じる」(都立高島高校・大畑方人教諭)
主権者教育に携わる大畑教諭は、3年前は注目された“18歳からの選挙”が「一過性のブーム」となることへの危機感を指摘します。
これから「初の選挙」に臨む18歳の有権者たち。若者を含む、幅広い世代の声を政治に反映させるための身近な取り組みは今後も一層、重要となりそうです。(7月15日17:12)