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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

番組からのお知らせ
プロフィール

堀尾正明

堀尾正明(ほりおまさあき)

生年月日:1955年4月24日
出身地:埼玉県
趣味:ゴルフ

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大学在学中に文学座附属演劇研究所に入り、研究生としてミュージカルに出演。81年にNHKにアナウンサーとして入局、初任地はNHK北九州放送局。
東京へ異動後は芸能畑を担当し、95年開始の『スタジオパークからこんにちは』メインキャスターとなり、人気を博す。
00年『NHKニュース10』のキャスターに抜擢され報道番組を担当。その後『サタデースポーツ』『サンデースポーツ』担当に廻りスポーツ畑へ。2002 FIFAワールドカップのメインキャスターを担当。

長峰由紀

長峰由紀(ながみねゆき)
TBSアナウンサー

生年月日:1963年6月28日
出身地:埼玉県
趣味:演劇鑑賞、相撲観戦

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●出身高校:埼玉県立松山女子高等学校
●出身大学:立命館大学 文学部 中国文学科
●身長:153cm
●血液型:O型
●入社年度:1987年

人権TODAY

人権に関わる身近な話題をテーマに掲げて、ホットなニュースをお伝えしています。

絵本の読み聞かせで教える命の大切さ

放送日:2016年03月05日
担当:進藤誠人

3月は国の自殺対策強化月間です。
去年1年間に自殺した人の数は、およそ2万4000人。
月別でみると、新年度を前にしたこの3月が最も多いんですね。
ということで、今回は自殺問題に関連して「絵本の読み聞かせで
命の大切さを教える取り組み」を紹介します。

画家で絵本作家の夢ら丘実果(むらおか・みか)さんは、2007年に
自殺予防の専門家らと作った絵本『カーくんと森のなかまたち』を
出版しました。
内容は、生きる自信をなくしたホシガラスのカーくんが、仲間の
鳥たちに励まされて、自分も必要とされているんだと気付くという
ストーリーです。

夢ら丘さんは、教育委員会などからの依頼を受けて、全国の
小中学校や幼稚園でこれまでに400回以上、読み聞かせの授業を
してきました。その読み聞かせが、自殺の予防にどんな効果が
あるのかを聞きました。

「1970年代から欧米やニュージーランドなどでは、心の健康のための
 教育を絵本やビデオを使って行っていこうという動きがありまして
 幼い頃から繰り返しそういった教材を使って教育をしているんです。
 絵本の読み聞かせの効果というのは、脳科学者の泰羅雅登教授も
 『読み手と聞き手の信頼関係を作って心の脳に働きかけて効果を
 生む』ということを証明しているんですね。教師が理屈で『いじめは
 いけない、自殺はいけない』と言っても説教されてるような
 気持ちになって、子供はなかなか心を動かさないっていうこと
 なんですが、絵本ってやっぱり暖かくて、視覚と聴覚に訴えて
 働きかける、そういった効果があって、子供の頃の暖かい気持ちに
 なるようですね」

絵本の読み聞かせによって心がほぐれた子供たちが、自分の悩んでいる
ことを話すようになったそうで、不登校がゼロになったり、いじめが
減った学校もあるということです。
その読み聞かせの授業の子供たちの感想を紹介してもらいました。

「中1の女の子は、勉強も運動も苦手で一人ぼっちでいることが多くて
 何度も自分はダメだと思って、一人で抱え込みすぎて死のうと考えた
 そうなんですけども『この本に出会えてまだやりたいことがたくさん
 あるからやっぱり生きようと思えるようになりました』って書いて
 くれてるんですね。また、びっくりするのがこれは小1なんですけど
 『私は生まれてこなくても良かったんだと思っていたけれど、
 この絵本を読んでもらうとやっぱり私は生まれてきて良かったんだと
 思いました』と書いてくれてるんですね」

いろんな悩みがたくさんあって死にたいと思っている感想がとても
多くて、それから「悩んだ時に相談する」ということを知らない子が
多いことが驚きです。
ただ、こうした授業は全ての学校で行われているわけではありません。
『カーくんと森のなかまたち』の絵本を、夢ら丘さんとともに制作した
吉澤誠さんのお話です。

「学芸大などの調査では、99%の学校が心の健康状態に問題もつ生徒が
 いると回答している。問題意識があることは分かっているんですね。
 で、そういう心の病気を扱う授業を必要だと答えた学校は8割以上
 あるんだけれども、実際実施しているのが3割なんです。じゃ、その
 5割は一体何を教材に使ったらいいか分からないわけです。どういう
 授業をしたら分からない。ただ、絵本だと親しみやすくて、とっつき
 やすい。ですから、そこを取り入れていただければなと思ってる
 ところなんですね」

今の国会では、学校での自殺予防に努めることが盛り込まれた自殺対策
基本法の改正案が成立する運びとなっていまして、夢ら丘さんや
吉澤さんは先月、馳文部科学大臣を訪ね、自殺予防教育について要望を
出しました。

「カリキュラムの義務化というか、年間1時間でも自殺問題とか
 心の健康のための時間を割いてほしいと言いに行きました」
「子供たちは命の大切さについて学ぶ機会はすごく多いんですけど
 死にたくなった時に、あるいは悩みを抱えた時にどうすればいいか
 ということを教わっていないんですね。やはり小さいうちから
 年に1時間でもそういった自殺予防教育を義務付けて、たくさんの
 子供たちが救われるように祈っています」

日本では10代から30代までの死因のトップは自殺です。
そのため、小学校から命の大切さを教えることは重要ですし
悩みを相談できる環境づくりも急がれます。
子供のいじめや自殺は大きな社会問題ですから、こうした絵本の
読み聞かせなど、心の健康や命に関わる授業を少しでも取り入れて
ほしいですね。

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