担当:瀬尾崇信
難病、内部疾患、発達障害など、外見上では分からない困難を抱える人がいます。
そのような人がこの社会にいるんだということを知ってもらおうという
「見えない障害バッジ」について取材しました。
免疫が正常に働かなくなる難病の当事者で、作家の大野更紗さんによると、
2010年秋頃、ツイッターのタイムライン上で、当事者同士が
「こういうものができたらいいね」という話題で盛り上がったそうです。
投稿から半年、それを見ていた人たちの間で「何か支援ができないか」という
議論が始まりました。
「どこに障害があるのか、どのような支援をして欲しいのかが分かるような
バッジがいいのでは?」という意見もあったそうですが、
席を譲ってほしい人もいれば、ただそっと見守って欲しいという人もいる。
病気によっては座ると辛いから立っていた方がいいという人もいる。
抱えている困難も様々ならば、直面している困難も様々。
「ならば、まずは啓発リボンから始めよう」ということになったそうです。
バッジはリボン型の透明なアクリル製で、赤いハートマークが付いた当事者用と、
支援者が持つ啓発用の2種類があります。
サン=テグジュペリの『星の王子さま』の一節、「大切なものは目に見えない」
という言葉が印字されています。
バッジを広めるためのウェブサイトを運営する一人、児玉剛さんによると、
知られてこそ意味があるのだから、企業のサポートや寄付に頼ってもっと大規模に
やるべきという意見をもらうことも多くあったそうです。
しかし、ツイッターから自然に話題が盛り上がったように、あくまでも個人個人で
つながることが力付けになっていると感じているということです。
「かわいそうな人に印を付けて、助けてあげるためのバッジ」になってしまったら
申し訳ないと話していました。
バッジはこれまでに3万7,000個以上が配られました。収益目的ではないため、
製作費に送料を加えた実費で希望者に配っています。
「見えない障害バッジ」を応援するウェブサイト「わたしのフクシ。」の
ホームページ上で受付しています。
関連情報・お問い合わせ先
- わたしのフクシ。
http://watashinofukushi.com/