担当:田中ひとみ
今日は、子供たちが学校の校舎で放課後を過ごす、
「アフタースクール」という取り組みについてです。
アフタースクールとは、学童保育のような「子供を預かる場所」
という機能に加えて、その子供たちが、学校施設を使って、
いろいろな習い事を受けられるものです。
今回取材したのは、中野区にある新渡戸文化小学校です。
運営しているNPO法人「放課後NPOアフタースクール」の
代表理事・平岩国泰さんに、話を聴きました。
「アフタースクールは小学校の放課後の活動なんですが、
その小学校にそのままアフタースクールっていう施設を
作っちゃうんですね。建物を建てる訳ではなくて、
空いている部屋を使って、そこで子供たちが集まれる場所を作って。
「市民先生」と私たちは呼ぶんですけど、色んな市民の方が先生に
なってくれて、子供たちが色んな活動ができるっていうのが特徴ですね。」
ここには毎日、90人くらいの小学生が通っていて、
【習字教室】の他にも、サッカーやピアノ、料理教室など、
およそ30種類の習い事があります。
平岩さんはアメリカに行ったときに現地でアフタースクールを知り、
2005年から活動をはじめて、現在では全国で11箇所の学校の
校舎を利用したアフタースクールを運営しています。
そこで、実際に通っている小学生に話を聴きました。
◆男子:3年生です。テニスと、フルートと、あとサッカーと
レゴブロックとかで遊んでます。(お父さんお母さんは働いているの?)
はい。お母さん帰ってくるのが遅いから、兄弟いないから、楽しい。
◆女子:4年です。剣道やってます。お母さんしかいなくて、でお母さん働いてて。
遅くに帰ってくるから、お母さんが帰ってくるまでアフターにいる。
一人があんまり好きじゃないから。みんなと一緒にいるのが楽しいから、
アフターが好き。
みんな、楽しそうに遊んだり、習い事をしたり、元気いっぱいに
放課後を過ごしていました。また、クラスや学年を超えてプログラムに
取り組んでいたので、普段とは違った交友関係が作られているようでした。
中には、不登校気味の子が、放課後を楽しく過ごすことで、再び学校に
通い始めたという例もあったそうです。
そして、この取り組みは、子ども達だけではなく、
親にとっても大きな存在だということです。
この日、子どもを迎えに来た親に話を聴きました。
◆母親:私も毎日働いていますので。不安があると仕事の方も集中できない
のかなっていうのがあるので。安心して預けられるのが一番だと思います。
◆父親:両親とも仕事をしてるので、でも学童よりは、アフターの方が学校の
敷地内にあるし、色々と習い事もできるので。
◆父親:妻がちょっと今具合が悪いもので、パパが迎えにきました。
まだ小学校1年生だから、最近物騒でしょ?色々事件もあるから。
で本人が小学校とアフターが大好きなので、ここを利用できてます。
今回、取材した親からは、
・一人で学校の外を移動させることが無いので安心だ、という声や、
・アフタースクールがあるから、この学校を選んだという人。
・それから、子どもの習い事を考えるときに、いろいろ選べて便利、
という話を聴けました。
平岩さんの話では、子どもを預けられず、仕事を減らしたり、
辞めたりする人もいたそうです。
また、自分の子供に習い事をさせてあげられないことに「罪悪感」を持つ
親もいるそうです。
再び、平岩さんの話です。
「出来れば日本でも、どの小学校にもアフタースクールが当たり前にあるような、
そんな社会になってくれたら良いだろうなと思っていて。
あとは、そこでためたノウハウを、色んな方に伝えて、みんなが色んな地域で
出来るようになったら最高だなと思いますね。」
アフタースクールの利用料は、使う学校施設によって異なりますが、
今回取材した新渡戸文化小学校では、
・基本の「預かり料金」が、【週1回で 月に8,400円】〜【週5日で 月に34,000円】です。
・また、「プログラム料金」は、【ひとくち3,000円〜6,000円】で、
・夜7時まで預かっています。
関連情報・お問い合わせ先
- NPO法人 放課後NPOアフタースクール
http://npoafterschool.org/