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子どもの貧困対策センター「あすのば」
放送日:2015年07月11日
担当:長田新
今回は、先月設立されたばかりの
一般財団法人・子どもの貧困対策センター・あすのばに
ついてお伝えします。
「こどもの貧困」という言葉を聴いたことはありますか?
厚生労働省は17歳以下の人を「こども」と定義しています。
平均的な世帯所得の「半分を下回る」家庭で暮らす
こどもの割合を「子どもの貧困率」としていますが、
2012年の調査では、これが16・3%。
今の日本では、子どもの6人に1人が貧困状態。
その割合は、調べるごとに過去最悪を更新しています。
これが一人親世帯では半数以上という調査結果もあります。
こうした子どもたちを救おうと、
貧困状態にある大学生や支援活動に関わっている人など
有志が集まり「子どもの貧困対策センター・あすのば」が
先月19日に設立されました。
代表理事の小河光治(おがわ・こうじ)さんは
『十分な調査がないために、
貧困状態の子どもの実態が知られていない。
データを集めて政策提言する必要がある』と
設立の趣旨を語りました。
小河さんによると
貧困状態にある子どもでも、
外見や所持品でわかりにくくなっているということです。
設立を目指して、大学生などが実施した街頭募金では
40万円ほど集まり、
4月末にセンターの準備会が設立され、
わずか2ヶ月で設立に賛同する人は961人集まり、
1口1000円の寄付金は、
1300万円あまり集まりました。
募金を集めた女性の一人は中学生の時に母親を亡くし、
父親も病気勝ちで会社を解雇されてしまいましたが、
奨学金制度を利用して大学生活を送り、
1年間の海外留学も経験し、
今は就職を目指しているということです。
親を亡くした子どもを寄付金で支援する
「あしなが育英会」の元職員でもある
「あすのば」代表理事の小河光治さんは
『母子世帯のうち、親を亡くした世帯は7・5%。
9割以上は離婚や未婚によるもので遺児家庭より多い。
光の当たらない子どもに、もっと光を当てるべき』と
話しています。
センター設立から1ヶ月。
貧困状態にある子どもからの相談や、
「何か手伝えることは?」など
問い合わせが寄せられているそうです。
※問い合わせ先
一般財団法人子どもの貧困対策センターあすのば
050−3740−2889
http://www.usnova.org
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