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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

番組からのお知らせ
プロフィール

堀尾正明

堀尾正明(ほりおまさあき)

生年月日:1955年4月24日
出身地:埼玉県
趣味:ゴルフ

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大学在学中に文学座附属演劇研究所に入り、研究生としてミュージカルに出演。81年にNHKにアナウンサーとして入局、初任地はNHK北九州放送局。
東京へ異動後は芸能畑を担当し、95年開始の『スタジオパークからこんにちは』メインキャスターとなり、人気を博す。
00年『NHKニュース10』のキャスターに抜擢され報道番組を担当。その後『サタデースポーツ』『サンデースポーツ』担当に廻りスポーツ畑へ。2002 FIFAワールドカップのメインキャスターを担当。

長峰由紀

長峰由紀(ながみねゆき)
TBSアナウンサー

生年月日:1963年6月28日
出身地:埼玉県
趣味:演劇鑑賞、相撲観戦

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●出身高校:埼玉県立松山女子高等学校
●出身大学:立命館大学 文学部 中国文学科
●身長:153cm
●血液型:O型
●入社年度:1987年

人権TODAY

人権に関わる身近な話題をテーマに掲げて、ホットなニュースをお伝えしています。

視覚障がい者向けの録音図書が、デジタル化で便利に!

放送日:2015年05月16日
Photo
今日は、「視覚障がい者が利用する録音図書のデジタル化」について
TBSラジオの中村友美ディレクターが取材しました。
国分寺市の身体障害者福祉協会・視覚部会会長で、
今回、視力を失っておよそ40年経つという
大畠良則(おおばたけ・よしのり)さんのお宅に伺ったところ、
デジタル機器を使いこなして、市の広報紙を読んでいました。
そのデジタル機器は、視覚障がい者専用の録音図書を再生できる端末で、
大畠さんが使っていたのは大きいお弁当箱くらいのサイズのものでした。
(SDカード対応でポケットに入るサイズのものもあります)
CDを読み込ませると内臓のスピーカーから音声が流れます。
矢印ボタンを押すと、まるで本のページをめくるように
読み進めることができ、しおりをはさむこともできます。
こういったカセットテープに代わるデジタル録音図書の規格を
「デジタル・アクセシブル・インフォメーション・システム」の
頭文字をとって「デイジー」と呼びます。

また、大畠さんは市の広報紙を聞いていましたが、
自治体が、視覚障がい者向けに音声で情報を発信する機会は増え、
例えば先日の統一地方選挙の公報も、多くの自治体が音声化していました。
それらを録音する作業は、地元のボランティアグループが行う場合が多く、
国分寺市では「音訳グループ やまばと」が行っています。
こういった広報だけでなく、地元の視覚障がい者から依頼された
本の録音図書化にも取り組んでいて、
これまで受験の問題集や電化製品の説明書も読んだそうです。
また、やまばとでは2000年から録音図書のデジタル化に取り組んでいて
現在どの程度普及しているのか、会長の多田ゆう子さんに聞きました。

『今年度からはもうテープはなくなったんですね。
 すべてCDになってます。移行段階においてはやまばとの会員の者が
 ご自宅に伺って、再生機の使用方法等は教えてさしあげて、  みなさん再生機使えるようになったんじゃないかなと思います。
 今や本当にデイジーが主流ですので、図書館で以前作ったテープの図書を
 デイジー版に作り直すというのを今年から始めました。
 テープを実際聞くとずいぶん劣化してしまっているので、
 そういうものを早くデイジー化したいという気持ちがあるようですね。』

今やデジタルが主流、ということなんです。
当初は利用者からも戸惑いの声があったそうですが、
覚えればカセットデッキの操作とそう変わらないということと、
再生用の端末が視覚障害1・2級の方であれば1割程度の金額負担で
購入できるので、普及が進んできているそうです。
一方やまばとのメンバ―は、パソコン編集を覚えなければならず
大変でしたが、カセットテープと比べて間違えた箇所の修正が簡単になり
また収録についても、各自が自宅で録音したデータを、
USBメモリで持ち寄ることも可能になったそうです。
さらに、デジタル化によってこんな変化もあったと、
多田さんは教えてくれました。

『市報はそもそも10〜16ページなんですが、
 テープの時は120分のテープ一本に収めるということでしたので、
 全部を読まずに省略したりしながら読んでました。
 デイジーになってCDに入れられるようになったことによって、
 健常者と視覚障がい者が同じ、全く差別のない状態で
 情報を差し上げることができる、という状態になったのは
 デイジーのおかげだと思います。』

CDの場合、音声データを圧縮して書き込むことで50時間以上
録音できます。これがカセットテープだと何十本にもなってしまいます。
やまばとの録音図書を利用する大畠さんも、制作する側が情報を選ぶのでは
なく、自分達が情報を選べるようになったという変化を、喜んでいました。
さらに大畠さんは、全国で利用できる新しいサービスもあると
教えてくれました。

『「やまばと」と同じような朗読グループが点字図書館に
何十人もいらっしゃる。そのCDをインターネットに乗せてるから
自分の好きな時間に、自分の好きな本を探して読むことができる。
点字図書館にないような本を、やまばとさんに渡す。
そしたらこの音声CDを作ってくれる。針灸の専門書だとか。
助かってますよ。読書ができるようになったので、
ようやく僕も人間性を少し取り戻せたかな、そんな気持ちになりましたね。

「サピエ図書館」はインターネット上に5万冊以上の蔵書があります。
一方で、針灸院の院長さんでもある大畠さんは体のツボについて解説した
専門書の録音図書化をやまばとに頼むというように使い分けているそうです。
読める本の選択肢も増え、デジタル化で技術的にも
視覚障がい者が本を読みやすい環境が整ってきているんですね。

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