TBS RADIO 954 kHz TOPページへ ページの先頭です

土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

※こちらは「過去ページ」です。
新しい番組ページは「こちら」です。

土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

番組からのお知らせ
プロフィール

堀尾正明

堀尾正明(ほりおまさあき)

生年月日:1955年4月24日
出身地:埼玉県
趣味:ゴルフ

もっと詳しく

大学在学中に文学座附属演劇研究所に入り、研究生としてミュージカルに出演。81年にNHKにアナウンサーとして入局、初任地はNHK北九州放送局。
東京へ異動後は芸能畑を担当し、95年開始の『スタジオパークからこんにちは』メインキャスターとなり、人気を博す。
00年『NHKニュース10』のキャスターに抜擢され報道番組を担当。その後『サタデースポーツ』『サンデースポーツ』担当に廻りスポーツ畑へ。2002 FIFAワールドカップのメインキャスターを担当。

長峰由紀

長峰由紀(ながみねゆき)
TBSアナウンサー

生年月日:1963年6月28日
出身地:埼玉県
趣味:演劇鑑賞、相撲観戦

もっと詳しく

●出身高校:埼玉県立松山女子高等学校
●出身大学:立命館大学 文学部 中国文学科
●身長:153cm
●血液型:O型
●入社年度:1987年

人権TODAY

人権に関わる身近な話題をテーマに掲げて、ホットなニュースをお伝えしています。

日本で初!「子どもの権利擁護センター」が設立

放送日:2015年03月07日
担当:清水栄志


今回は「虐待などを受けた子ども」を対象にした、国内初の施設
「子どもの権利擁護センターかながわ」の取り組みをお伝えします。
ちょうど1ヶ月前に神奈川県・伊勢原市にできた施設で、
小田急の伊勢原駅から徒歩4分と、子どもにも遠くない場所にあるんですが、
どういった施設なのか?
立ち上げたNPO法人「子ども虐待ネグレクト防止ネットワーク」の理事長、
山田不二子さんに伺いました。


山田「子どもがなんらかの被害、人権侵害などを受けた時に、
その子がどんなことを受けたのかを知らないことにはケアや、
犯罪を立証することができない。
専門の面接者が誘導なく聴き取って、児童相談所と警察と検察が
モニタールーム=監察室で聞いて1回の面接=ワンストップで受けて
子どもの負担を最小限にしてあげる事ができるほかにない施設だと思います。」



聴き取り調査は、いろんなケースがあるので一概には言えないのですが、
例えば、児童相談所に虐待の通報があった場合は、
児童相談所が虐待の有無を含め、子どもが誰からどういう被害を
受けたのかなどを子ども本人から直接聴きます。
その後、事件性があると判断されると、
警察や検察もそれぞれ子どもに聴き取り調査を行います。
このように現在、この聴き取り調査は、児童相談所、警察、検察、の
3つの機関がそれぞれ個別に行っているんですが、
この聴き取りを1カ所の施設で行うというのが今回出来た施設の特徴です。
施設には、子どもから聞き取り調査を行う面接室と、
その様子をカメラを通して観ることができるモニタールームがあります。
モニタールームからは例えば、警察官が事件性があるかどうかを知る為に
「暴力を受けたのは体のどの部分かもう少し子どもに詳しく聴いて欲しい」
などの指示を面接官にすることもできます。
またこの施設には、子どもの体の傷などを確認したりする診察室も併設されていて
面接と診察をワン・ストップでできるという国内で初めての施設なんです。

さらに、聞き取りが一箇所でできる施設の必要性を、山田さんに伺いました。


山田「例えば私がDVの被害者だとして、女性の相談員にお話ししたこと、
警察官に話したこと、検察官に話したこと。
これ全部一致していればみんなが信用してくれるよなってことは
大人だから知ってますよね。でも、子どもはそうは思わない。
この場をどう凌ごうかということの方が優先してしまう。
事実と違うことを言ったり、前言ったことと違うことを話したり
ということが起こる。そういうことで、何度も聞かないで済ませなきゃいけないだろと。
子どものためのワンストップセンターっていうのが必要だよなと。
そういう場を作りたかったということです。」


聴き取りを行う場合、子どもはそれぞれの場所、警察なら警察署、
検察なら地方検察庁(地検)に行って事情を聴かれます。
子どもにとっては、そうした場所にいくこと自体が、
かなりのストレスになる可能性がありますし、
例えば、虐待を受けていた場合は、傷を診たりするために、
病院に行く必要もあります。
こうした子どもの負担を減らそうと今回の施設を作ったということなんです。 

なぜこれまでなかったのでしょうか?
それには、こんな壁があるからだと山田さんは教えてくれました。


山田「例えば児童相談所が警察・検察に声をかけないのは、個人情報保護と言われていて、
児童相談所でやっているのに警察や検察に入ってもらう以上、加害者じゃない方の
親御さんの承諾を取らなきゃいけないということになります。
警察・検察の言い分は、犯罪捜査は警察が独立して内密に行うことが原理原則。
それを踏み越えてまで他機関連携チームを作るということは、しにくい。
子どもを中心に考えてはいなくて、っていうのが公的機関の立場なんですよ。」


もちろん、山田さんは、それぞれの機関に行って説明会を開いたりして、
この施設が、どれだけ子どもの負担を減らすことができるかなどを
訴えていますが、
個人情報の保護や警察の捜査規範などの理由などから
なかなか受け入れられないのが現状だということなんです。
さらに、山田さんは、もう1つ越えなければならない問題があると教えてくれました。


山田「日本の場合、残念ながら刑事訴訟法でこういう面接のビデオや記録を書いたとしても
これがそのまま証拠化できないから、子どもが受ける面接は1回にできます、
次は法廷で証言するだけで済みますよと言えないのが現実。
だけれども、子どもにとってより有益に使っていけますということが、 実績として積み上がっていけば、この面接自体を証拠化していこうという
国の動きになるかもしれない。
一石を投じたことは間違えないと思うんですね。」


今回取材した「子どもの権利擁護センターかながわ」のような施設、
山田さんもアメリカでこうした施設を見学してきたそうなんです。
山田さんはこうした施設があることを知ってもらい、
また施設が増えていくことで
子どもの立場に立った制度作りにつながるのではないかと話していました。

関連情報・お問い合わせ先

ページトップへ