TBS RADIO 954 kHz TOPページへ ページの先頭です

土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

※こちらは「過去ページ」です。
新しい番組ページは「こちら」です。

土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

番組からのお知らせ
プロフィール

堀尾正明

堀尾正明(ほりおまさあき)

生年月日:1955年4月24日
出身地:埼玉県
趣味:ゴルフ

もっと詳しく

大学在学中に文学座附属演劇研究所に入り、研究生としてミュージカルに出演。81年にNHKにアナウンサーとして入局、初任地はNHK北九州放送局。
東京へ異動後は芸能畑を担当し、95年開始の『スタジオパークからこんにちは』メインキャスターとなり、人気を博す。
00年『NHKニュース10』のキャスターに抜擢され報道番組を担当。その後『サタデースポーツ』『サンデースポーツ』担当に廻りスポーツ畑へ。2002 FIFAワールドカップのメインキャスターを担当。

長峰由紀

長峰由紀(ながみねゆき)
TBSアナウンサー

生年月日:1963年6月28日
出身地:埼玉県
趣味:演劇鑑賞、相撲観戦

もっと詳しく

●出身高校:埼玉県立松山女子高等学校
●出身大学:立命館大学 文学部 中国文学科
●身長:153cm
●血液型:O型
●入社年度:1987年

人権TODAY

人権に関わる身近な話題をテーマに掲げて、ホットなニュースをお伝えしています。

代用音声=シャント発声

放送日:2015年02月21日
担当:長田新 今回は、のどのがん=喉頭がんや咽頭がんの手術で、のど仏の部分を取り除いて、声を失 った人たちの、肉声に変わる声=「代用音声」についてお伝えします。
のどを酷使する歌手や政治家の方で、この喉頭がんや咽頭がんにかかる方の話を聞きますよね。例えば、元財務大臣の与謝野馨(よさの・かおる)さんは、下咽頭がんの治療で声を失い、その結果、政界を引退したのが3年前の9月でした。与謝野さんは、この代用音声によって、今では、テレビの討論番組に出演するまでに、声を取り戻されました。
私たちが普段、気に留めることもない「言葉でコミュニケーションを取る」という行為は、 いざ、それが失われた場合、人と会いたくなくなったり、あるいは、仕事も続けられなく なるような一大事となります。
今回、取材したのは、この代用音声の普及活動を行っている悠声会(ゆうせいかい) というNPO法人です。

月一回行われる会合に伺いました。その様子です。

『じゃあ、ついてきて下さい。あ〜、あ〜、い〜、い〜、う〜、う〜、え〜、え〜、お〜 お〜』

これは、皆さんで、発声練習をしている様子です。 代用音声には、大別すると3種類あります。 1つ目が、電動装置をあごの下に当てて振動させて声を出す「電気喉頭(でんきこうとう)」。2つ目が、ゲップをする要領で空気を飲み込んで声を出す「食道発声」。そして、3つ目が、与謝野馨(よさの・かおる)さんが行っている、「シャント発声」という代用音声で、ほかの2つの方法が、訓練が必要だったり、声の質が機械的だったりするのと比較して、「簡単で、しかも肉声に近い声が出る」という理由で、注目されています。先ほどの皆さんは、このシャント発声で発声練習をしていたんです。

少し難しい話になるんですが、シャント発声について説明します。 喉頭を摘出すると気管と食道が分かれます。喉頭摘出者の喉元には「永久気管孔」と呼ば れる穴が開いていて、この気管孔を通じて呼吸をします。シャント発声を行うには、手術 により気管と食道の間にシリコン製のチューブを取り付けます。声を出したい時には「喉 の穴」を指や補助器具を通じてふさぎ、肺の空気を食道に送り込むことによって、粘膜を 震わせて声を出します。

欧米ではシャント発声の普及率が高く、70%程度と言われていますが、日本では、まだ 5%程度だそうです。 シャント発声に必要な医療機器を製造販売しているアトスメディカル社の日本支社・言語 聴覚士の金崎晶子(かねざき・あきこ)さんに伺いました。

『日本では、まだまだシャント発声が知られていないのが現状ですので、メリット・デメ リットを事前に病院側から情報提供をして、患者さんとご家族が選ぶということが大事に なってくると思います。「病院から食道発声の説明はあったけど、シャント発声の説明は なかった」というようなことも、よくあることですので、日本全国どの病院でも、その3 つの方法があるよということを、お知らせ頂ければと思いますそこが課題だなと思います』

人によって非常に有効な発声法であるにも関わらず、現状では知られていないということ なんです。 また、金崎先生のお話で、「メリットとデメリット」という話がありましたが、まず、デ メリットとしては、喉につける補助器具を自分で調整したり、定期的に病院で器具を交換 したりしなくてはなりませんので、自分、もしくは周りの方が、そういうメンテナンスが 出来る必要があります。つまり、誰でもが使えるものではないんです。また、月に2万円 程度のお金がかかります。しかしこれは、悠声会の陳情の結果、北海道から沖縄まで、現 在、全国36の自治体で、「障害者日常生活用具」と認定され、全額が補助されるなど、 自治体の助成も、広がっています。

実際にシャント発声を行っている悠声会の会員の方に伺いました。 『「まあ、おかげさまで声はこうやって出るんですけれども、やっぱり、人ごみの中だと か、混んでる飲み屋さんだとかで、こう、ちょっと距離の離れた人と喋るというのは、ち ょっとまだ大変。これは困ったことです。まあ、贅沢な悩みですけど。」「この社会の中 で、会話が出来ないというのは、かなり、大きなダメージでしたね。それから解放された ことを考えると、今、特に困っているってことはないんですね。」』

お2人とも、自然なお声が出ていらっしゃって、「カラオケで、歌も歌う」と仰っていま した。
悠声会会長の土田義男(つちだ・よしお)さんです。
『この病気は、喋れなくなるのが、一番の悩みの種です。喋れないことによって、職を失 ったり、会社をつぶしちゃったりするので。このシャント発声だったら、すぐ喋れるよう になるから、悠声会の会員でも、現役で働いている人がいっぱいいます。まず見学に来て、 みんなが元気に喋っている姿を見れば、安心すると思います。』

同じ悩みをお持ちの方は、悠声会のホームページにアクセスしてみて下さい。 シャント発声。「知らなかった」という方には朗報になるかもしれませんね。

                                          ※問い合わせ先
悠声会(会長:土田義男さん)ホームページ
http://www.yousay-kai.org

関連情報・お問い合わせ先

ページトップへ