担当:瀬尾崇信
認知症の人とその家族、住民、介護の専門スタッフらが集う
「認知症カフェ」について取材してきました。
医療と介護の連携、予防法や治療法の研究開発などと並んでカギとなるのは、
認知症の人や家族の視点で地域作りをしていくことだと言われていて、
情報交換の場としての「認知症カフェ」の普及を
国も推進する方針を示しています。
東京・江東区で「オレンジカフェ・えんむすび」を運営している担当者によると、
認知症の症状に関しての相談だけではなく、歳をとって不便に感じていること、
話し相手が欲しいと集まってくるご近所の方も多いということです。
介護福祉士やケアマネージャーといった専門職の方につなげる役目を
果たせたらと話していました。
また、書道教室や工作教室、絵手紙教室などのイベント、
菜園や足湯もあるので気軽に参加して欲しいとのこと。
一般に「認知症カフェ」と言われていますが、
この「オレンジカフェ・えんむすび」では、
「認知症」いう名称を敢えて使用しない配慮をしているということです。
大々的にしてしまうと逆に入りづらいでしょうし、
「あそこにいる人は皆、認知症なのかしら?」と思われてしまうことで、
当事者が傷ついたり、ご家族にも抵抗があるからです。
逆に、「認知症カフェ」という看板を敢えて掲げていないがために、
何をやっている場所なのかを明確にできないという課題もあるようです。
その存在を知ってもらうために、
区報への 掲載、近所の商店街へのチラシ配布、
民生委員、地域包括センターにもこまめに連絡をしているそうです。
また、そういう方々と、2、3か月に1度、
運営会議を開いて、どうやって広めていこうか話し合っています。
いま全国にある「認知症カフェ」は、
運営主体が家族会やNPO、自治体というものがほとんどで、
開催頻度も月1回というところが多いようです。
逆に、介護事業者が携わっているものは
平日のみに限られているという場合があります。
どちらが良いとか悪いとかではなく、様々な取り組みがあり、
利用しやすいものを選べるという選択肢作りが必要なのだと感じました。
関連情報・お問い合わせ先
- オレンジカフェ・えんむすび
http://sukoyaka-home.com/orange.html