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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

番組からのお知らせ
プロフィール

堀尾正明

堀尾正明(ほりおまさあき)

生年月日:1955年4月24日
出身地:埼玉県
趣味:ゴルフ

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大学在学中に文学座附属演劇研究所に入り、研究生としてミュージカルに出演。81年にNHKにアナウンサーとして入局、初任地はNHK北九州放送局。
東京へ異動後は芸能畑を担当し、95年開始の『スタジオパークからこんにちは』メインキャスターとなり、人気を博す。
00年『NHKニュース10』のキャスターに抜擢され報道番組を担当。その後『サタデースポーツ』『サンデースポーツ』担当に廻りスポーツ畑へ。2002 FIFAワールドカップのメインキャスターを担当。

長峰由紀

長峰由紀(ながみねゆき)
TBSアナウンサー

生年月日:1963年6月28日
出身地:埼玉県
趣味:演劇鑑賞、相撲観戦

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●出身高校:埼玉県立松山女子高等学校
●出身大学:立命館大学 文学部 中国文学科
●身長:153cm
●血液型:O型
●入社年度:1987年

人権TODAY

人権に関わる身近な話題をテーマに掲げて、ホットなニュースをお伝えしています。

自閉症の自立支援施設「けやきの郷」

放送日:2014年11月29日
担当:清水栄志

今回は自閉症の自立支援施設について取材してきました。
自閉症は原因不明の脳の機能障害と言われていて、特徴としては
『対人関係が困難なこと』『コミュニケーションが困難なこと』
『こだわりが強く、興味が狭いこと』があります。
こうした自閉症の人の社会参加と自立を目指して長年取り組んでいる『けやきの郷』
という施設が埼玉県・川越市にあります。

『けやきの郷』常務理事・阿部よしこさんは、
「けやきの郷は自閉症の人の親、21人が発起人となって、
1985年に設立した全国で2番目の自閉症の成人を対象とした専門施設。
設立に7年かかりました。なぜかというと地元の住民から反対運動にあった。
地域の人が反対した理由は自閉症という障害を理解してもらえてなかったから。
その為に、地域の中に積極的に働く場を求めてきました」

施設を設立する時には、自閉症のことがまだ、広く知られておらず、
地域の人からは『自閉症は危険』などの理由で、反対運動が起こったそうなんです。
ただ、阿部さんたちは諦めず、『地域に住んで働く』ことを目指して
7年間施設を立てられる場所を探したり、
地域の人と対話を重ねたりして、『けやきの郷』を作ることができたということです。
自閉症の方はどのような仕事をしているのでしょうか?

けやきの郷の就労施設の1つ『やまびこ製作所』の所長 伊得正則さん
「木製パレット、日本語で言えばフォークリフトで荷物を運ぶ荷台を作ります。
作業工程は板を寸法に切って、角をきっちり合わせて釘で留めます。
そのあと左右の側面に○○株式会社という感じで作ります」

工場などで荷物を運ぶフォークリフトがありますよね。
そのときに使う、木で出来た=すのこの様な土台(荷台)のことをパレットといって、
その組み立て作業を自閉症の人たちだけで行っています。
また、やまびこ製作所は『就労継続A型事業所』という全国に70〜80ヶ所ある事業所のひとつで、
働いている人に最低賃金を保障して雇用契約を結んでいます。
ただし、自閉症の人だけが働いている事業所は全国でやまびこ製作所だけということなんです。
その『やまびこ製作所』で働く自閉症の方に、仕事の感想を伺いました。

「一緒に頑張った。(お仕事楽しい?)楽しい。」 「釘抜きとかお片付けとかちゃんとやっています。ちゃんと確認して直しています。
 ちゃんと正確にやりました。(お仕事毎日楽しい?)楽しいと思います。」

自閉症の人の特徴である『こだわりが強い』という部分が発揮されています。
例えば、木材の角をきっちり合わせて釘で留める、このきっちりという部分にも向いているそうで、
質が高い製品が出来るため、顧客の評判もよく、経営も軌道に乗っているということなんです。
また作業は、長い木材も使うため2人1組で行います。
『対人関係やコミュニケーションが困難』な自閉症の人にとっては
苦労する部分もあるかと思ったんですが、阿部さんの話では、
みなさん、お互い相手のことを常に気遣いながら働いているということです。
このように「けやきの郷」では自閉症の人が仕事をし、生活をしているんですが、
阿部さんはいま、新しいことにも取り組もうとしているそうです。

「十数年前、けやきの郷の親子6人3組で、カナダに旅行に行きました。 その時にホテルで「私たちの子どもは重度の自閉症で、ほかの方に迷惑をかける かもしれません」と述べた。そしたらホテルのマネージャーがノープロブレムと。 そのことを『旅へ、自閉症の息子ら』という本を書いた。今年、埼玉県が 音楽朗読劇として上演して下さるという運びになった」

この本では、カナダで経験した日本との違いなどを紹介しながら、
まだまだ誤解されている自閉症のことをもっと多くの人に知ってもらいたいと訴えています。


12月6日(土)「彩の国さいたま芸術劇場の小ホール」で
埼玉県・障害者アートフェスティバルが行われるんですが、その一環として
『旅へ!自閉症の息子らと』という音楽朗読劇が上演されます。
その音楽朗読劇で、役者さんに混じって『けやきの郷』などで働く自閉症の人たちも
舞台に上がるということです。
常務理事の阿部さんは今回の取材を通じて、こうした経験をしながら、
彼ら、彼女らの社会参加と自立を支援していきたいと話していました。

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