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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

番組からのお知らせ
プロフィール

堀尾正明

堀尾正明(ほりおまさあき)

生年月日:1955年4月24日
出身地:埼玉県
趣味:ゴルフ

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大学在学中に文学座附属演劇研究所に入り、研究生としてミュージカルに出演。81年にNHKにアナウンサーとして入局、初任地はNHK北九州放送局。
東京へ異動後は芸能畑を担当し、95年開始の『スタジオパークからこんにちは』メインキャスターとなり、人気を博す。
00年『NHKニュース10』のキャスターに抜擢され報道番組を担当。その後『サタデースポーツ』『サンデースポーツ』担当に廻りスポーツ畑へ。2002 FIFAワールドカップのメインキャスターを担当。

長峰由紀

長峰由紀(ながみねゆき)
TBSアナウンサー

生年月日:1963年6月28日
出身地:埼玉県
趣味:演劇鑑賞、相撲観戦

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●出身高校:埼玉県立松山女子高等学校
●出身大学:立命館大学 文学部 中国文学科
●身長:153cm
●血液型:O型
●入社年度:1987年

人権TODAY

人権に関わる身近な話題をテーマに掲げて、ホットなニュースをお伝えしています。

男性に対する性暴力被害。支援の現状は?

放送日:2014年10月04日
今日は、男性が被害者となる性暴力の被害について取材しました。
ことし1月に、性暴力の「ワンストップ支援センター」を特集した際、
男性の方からも相談が寄せられていると紹介しましたが、
男性が性暴力の被害を受けるとはどういうことなのか。
まずは、被害に遭ったことのある男性に、匿名を条件に
ご自身の過去の体験を語っていただきました。

『僕が受けた性被害は、顔見知りの関係のある女性で、
僕が暮らしていたアパートに 毎晩夜になると性行為をするために
やってきた。これはとても怖い体験だった。
それが数十年経って、PTSDとしてあらわれてきた。
当時、性暴力被害者の電話相談にかけたんだけど、
男性のことは分からないと言われて、女性しか受け付けてなかったんです。
それで非常に絶望したわけですよね。
男性サバイバーはぼく一人なのかという風に思って』

この男性の話は今から15年ほど前の出来事で、
いまではサポートを受け入れている機関は少しずつ増えていますが、
実際には情報を得たくてもなかなか見つからないし、
相談できる機関もまだまだ少ないのが現状です。
またこの男性は、性暴力の被害について精神科医に相談したところ
その精神科医からも性暴力被害を受けるという
「援助被害」にも遭ったといいます。

そもそも、男性の性暴力被害について調べた公的な統計が
日本では行われていません。
例えば加害者についても、先ほどの男性の場合は女性からの被害でしたが、
多いのは男性からの被害だといわれていて、
ですが詳しい実態はわかりません。
ただ、さきほどの男性が、男性の性暴力被害者と情報を共有すべく
「RANKA」という自助グループを立ち上げたところ、
これまでに延べ60人以上の方が参加したそうです。
男性の性暴力被害者も、決して少なくない数に見えますが、
なかなか表に出てこない理由について、先ほどの男性はこう指摘しています。

『女性でも相談するには勇気がいる、男性でもそれに負けずに勇気が必要。
男性特有の問題としては、社会には、
「男性は性被害に遭わない」
「遭ったとしても傷つかない」
「傷ついても自分がなんとかすればいい」
という三重の否認があるので、自分が性被害に遭ったということを話すことは
とても恥ずかしかったり辛かったりということがあります』

例えば、女性からの性暴力被害については、
「女性にセクハラをされるなんてうらやましい」と思われてしまう。
男性の性暴力被害は、ほかの人からは「被害を受けた」と思われにくい
なかなか声を上げづらい、相談しづらい、という状況のようです。
また、問題点はほかにもあります。
さきほど、日本では男性の性暴力被害の実態をつかめていないと
話しましたが、そもそもいまの法律は、
女性の被害者と男性の被害者を区別しているそうなんです。
性暴力やDV被害者の支援をしているNGO
「性暴力被害者に基本法を。ひとびとコラボ21」の代表、
辻雄作さんのお話です。

『今の刑法の現状は100年くらい前にでき、
「暴行・脅迫をもって女子を姦淫したもの」
つまり被害者は女性。加害者が男性というのが前提。
男性の性暴力刑は強制わいせつ、つまり男性が強姦されても
女性の法定刑の半分以下しか評価されないというと、
こういうことやってはいけないという意味合いが低くなってしまう。
今に合うように、速急に取り組むべき』

海外の先進国では、性被害や強姦は男性・女性に限らないと認識が
改められつつあって、法改正も大幅に進んでいます。
日本では未だに明治時代の刑法177条から変わらず、
強姦の被害者は女性だけ、加害者は男性だけと定めており、
人びとから男性の被害者を見えにくくしているそうなんです。
辻さんはほかの国と同じように早く改めるべきだと話していました。
こうしたなか、民間による支援の体制は少しずつ変わりつつあります。
再び辻さんのお話です。

『レイプクライシスセンター、ワンストップ性暴力被害支援センター。
16か所になりました、この数年で。
まず緊急時に駆け込めるところのイメージですね。証拠保全も するし。
なぜレイプクライシスセンターにこだわるかというと、
被害を受けた後放置されてる人が特に男性では多いと推測できる。
でも早くつながればつながったほうがいい。2年〜5年経つと、
回復の困難さ、失われたものも大きくなる。
さらには、安心して、何年間は解決するまではタダで、
法律サービス、カウンセリング受けられますよと。
でもそのためには、1にも2にも、男性も性暴力受けて苦しんでる人が
いますよ、と知らせることが第一歩と思ってます』

男性も性暴力被害に遭うということが広まって一般認識となり、
男性の被害者も女性の被害者も区別なく、
支援につなげられることが大事だと思います。

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