担当:山崎景子
「介護の仕事に興味があるけど、実際にどんな事をするのかわからない・・」
という方に対して、東京都がある「3つの試み」を始めました。
「介護人材確保対策事業」と言いますが、その第1弾として
介護施設で実際に仕事を体験してもらう
「職場体験」が始まりました。
練馬区にある特別養護老人ホームの光陽苑を取材しました。
お茶や食事を高齢者に出したり、お昼に使うおしぼりを作ったり、
一緒にレクレーションに参加したりなど、最大3日間体験していきます。
光陽苑では、高校生が参加していました。
大泉桜高等学校2年の石田愛さんのお話です。
★先生が看護を目指しているけど、福祉を見てみてどっちをとるか決めてみたら視野も広がるんじゃないかと聞いて、
夏休みを利用して自分の人生のプラスになったらと思って参加しました。
お年寄りの方がこうやって優しくしてくれる方がいるのを嬉しく思うというのを言っていて、
聞いたときに、来てよかったかもしれないと思いました。
「都内に在学中の高校生と大学生」そして「都内に在住の方」なら参加できます。
そしてこの「職場体験」の参加者は、「介護人材確保対策事業」の
第2弾「介護職員初任者研修資格習得支援事業」にも参加できます。
この研修を受けると昔のホームヘルパー2級に相当する資格を
無料で習得できるんです。
大泉桜高等学校の2年大柄純花さんのお話です。
★★資格をとってこういうところで働くのが夢ですね。
高2の安定した時間が 取れる今のうちに資格だとか、とっておこうという気持ちで勉強の一環で受けています。
今まで見れなかったところも全部案内してもらったりとか、
職員さんのお仕事ぶりなども見れるので、細かいところまで見れていい感じです。
自分で資格を取るとおよそ10万円かかるそうで、この機会を有効に活用して、
卒業と同時に就職したいとも話していました。
代々木上原にあるデイサービスの「杜の風・上原」で
同じく職場体験を受けていた38歳の中村さんにも話を聞きました。
★★★今まで事務職だったんですけど、介護職の方が求人があるということだったので、
もし自分がやれそうであれば資格を取ってみたいなとちょっと興味をもちました。
そのあとにも就職をバックアップしてくれるということだったのでその方向で。
現場を全く知らないので自分が本当にやっていけるのか、高齢者と会話ができるのかとか、
そういった不安はあったんですけど、実際に体験すると自信がつきました。
就職先のバックアップもしてもらえるんです。
さらに「介護人材確保対策事業」の第3弾は、「トライアル雇用事業」と言うんですが、
そちらでは
介護現場でお給料を貰って働きながら、資格をとり、そのまま就職までできるそうです。
至れりつくせりですが、介護現場はここまでしないといけないほど厳しい状況のようです。
高校生の職業体験の受け入れをしていた社会福祉法人 泉陽会 光陽苑の加藤施設長のお話です。
★★★★人員不足は感じていますね。常にハローワークとか、施設の掲示板とか、緊急の場合は新聞折込、
新聞広告を通じて募集をかけている状態です。
家族の介護問題もあって退職してしまうケースとか、体壊すというよりも精神的に厳しくなっるいうケースもありますね。
確かに夜勤があって大変だけれども、皆さんが思っているよりも休みはしっかりあったりするので、
体験、ご相談でもいいので来て頂ければなと思います。
人材確保が難しく、また離職率も高くて、
東京都では1年以内に4割が辞めているそうなんです。
全国的に見ても介護職員は今全国で150万人いるそうですが、
厚生労働省によりますと、
およそ10年後には
さらに100万人の介護職員が必要になってくるそうです。
合わせて東京都では離職率を低下させるために
職場環境を整える試みなども行っているそうです。
東京都の「介護人材確保対策事業」は、いまも参加者を募集しています。
詳しくは東京都社会福祉協議会 東京都福祉人材センターへお問い合わせください。
TEL 03-5211-2860
関連情報・お問い合わせ先
- 東京都社会福祉協議会 東京都福祉人材センター
http://www.tcsw.tvac.or.jp/jinzai/