担当:小林真理
障害者の働く場を取材するため、横浜市都筑区「センター南」駅すぐの
オシャレなチョコレート菓子工房に行ってきました。
この工房、実は福祉事業所で、ショコラティエの指導の下、
知的障害や精神障害のある利用者が、日々チョコレートを作っています。
この工房、「ショコラボ」と言います。
運営する一般社団法人AOH会長の伊藤紀幸さんは、障害のある息子さんの将来を考え、
障害者の雇用の場をつくり、賃金のアップにもつなげたいということで、
脱サラして、1年半前に「ショコラボ」を始めたんです。
チョコレート工房にしたのは、伊藤さんご夫婦が好きだったという単純な理由ですが、
目指す工房のあり方にもあっていたようです。
伊藤さんは次のように話していました。
ここのチョコレートがなにかっていうと、手作りで作っているという事が一番まずは特徴だと思います。
それと同時に、私どもの場合は健常者と障害者が普通のノーマライゼーションとしてコラボするというのを志向していますので。
正直始めてみて気がついたんですけど、チョコレートってなんて素敵なんだろうと思うのは、
現実的にはそれはしないんですけど、極論失敗したらもう一度溶かせばチョコレートは大丈夫な商材ということが、利用者の方に精神的なプレッシャーを与えないで済むんです。
「ショコラボ」とはコラボという意味のほか、ショコラを作る、ラボ、工房という意味もこめました。
工房にお邪魔すると、およそ20人の利用者と5人のスタッフが一緒になってチョコレート作りをしていました。
チョコレートを溶かしたり、ディップしたり、固めたチョコレートをカットしてサイズを合わせたりと、6つある作業台に3〜4名ずつ、それぞれ協力しながら作業を行っていました。
利用者の方にも話を聞きました。
ショコラボができた時から働いている佐々木さん、
次に木村さん、最後に中山さんの話を聞いてください。
★ショコラボのBギフトをセットアップしていました。
働きたいです。みんなが美味しく楽しくお客様に喜んでもらえるような笑顔がみたいからです。試食で美味しいといわれてとても嬉しかった。
★ドライフルーツのチョコ付けです。いろんな種類が合って、つけるのが楽しいです。
美味しかったです。買ってほしいです。
★挑戦したいと思います。(挑戦したいことはありますか?)あります!
難しいチョコレートは、ガトーショコラ。シェフが教えた通りに作りたいと思います。
覚えていきたいと思います!
ショコラボには新卒の人もいれば、一回社会に出たけどうまくいかなかった人もいます。
障害の特性もそれぞれです。苦手な点はうまく補い、得意なところは伸ばして、働き甲斐をもってもらうんです。
例えば、数を数えるのが苦手な人でも、チョコの数を正しく箱詰めできるように、
チョコの数だけ升目を作って、そこに並べればOKという形にしています。
この1年ほどで、商品の数も利用者の数も増え、賃金は多い人では月2万6千円ぐらいだそうです。
目標は10万円ですが、現状でも、普通1万3千円ぐらいといわれる障害者の平均賃金を上回っています。
商品の販売方法は、オンラインショップを始め、デパートの催事に出したり、最近は店頭でも販売を始めました。
私は、月に二回ほど行っている都筑区役所での販売におじゃましました。
猫の手の形をしたチョコの甘いにおいに女の子が誘われ、
それをお母さんがあわてて追いかけていました。
さて、スタジオにも
「ショコラ棒」という商品と、ドライフルーツのチョコレートを持ってきました。
やわらかくてほどよい甘さのドライフルーツのチョコレートや、スティック状のチョコクランチのショコラ棒。
ほかにもまだまだありますので、
詳しくは「ショコラボ」のホームページをご覧ください。
関連情報・お問い合わせ先
- CHOCOLABO
http://chocolabo.or.jp/index.html