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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

番組からのお知らせ
プロフィール

堀尾正明

堀尾正明(ほりおまさあき)

生年月日:1955年4月24日
出身地:埼玉県
趣味:ゴルフ

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大学在学中に文学座附属演劇研究所に入り、研究生としてミュージカルに出演。81年にNHKにアナウンサーとして入局、初任地はNHK北九州放送局。
東京へ異動後は芸能畑を担当し、95年開始の『スタジオパークからこんにちは』メインキャスターとなり、人気を博す。
00年『NHKニュース10』のキャスターに抜擢され報道番組を担当。その後『サタデースポーツ』『サンデースポーツ』担当に廻りスポーツ畑へ。2002 FIFAワールドカップのメインキャスターを担当。

長峰由紀

長峰由紀(ながみねゆき)
TBSアナウンサー

生年月日:1963年6月28日
出身地:埼玉県
趣味:演劇鑑賞、相撲観戦

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●出身高校:埼玉県立松山女子高等学校
●出身大学:立命館大学 文学部 中国文学科
●身長:153cm
●血液型:O型
●入社年度:1987年

人権TODAY

人権に関わる身近な話題をテーマに掲げて、ホットなニュースをお伝えしています。

HIV感染者が働くことの現状

放送日:2014年03月01日
担当:長田新

今日は、HIV感染者が「働くことの現状」についてお伝えします。
今ではHIVウイルスが血液の中で増えるのを「薬の服用で抑える治療法」が、確立していて、デンマークで2007年に発表された調査によりますと、薬が開発される前と後の寿命を推定したところ、30歳から60歳へと格段に伸びていることがわかりました。

しかし実際には、職場で感染がわかってしまうと、そのまま同じ仕事を続けられない人が多いそうです。
HIV感染者が仕事をする状況について、HIV感染者の就労を支援しているNPO法人「ぷれいす東京」代表の生島嗣(いくしま・ゆずる)さんに伺いました。

『4、5年前に全国のHIV陽性者の生活実態調査をした時に、「HIV陽性」と                  
分かった後、全体の4割ぐらいの人が離転職をしていました。どうして離転職
をするかというと、病気を抱えながら仕事を続けるというのを、会社の方とか、
同僚、上司とかにうまく説明が出来ないというのが根底にあるんですね。』      
                                 
まだまだ打ち明けられない現状があるんですね。治療法は確立されましたが、現状では「薬を飲み続けていれば健康が保たれる」という状況で、1〜2か月に1回、平日に病院に通わなくてはいけない、つまり会社を休む必要が出てきます。
勤め先に、HIV感染の事実を告げられれば良いんですが、現状では、その影響や誤解を恐れて、会社に告知している人は1割程度です。それで、止む無く、平日に休みが取りやすい会社に移るという状況なんです。
その心境を、HIV感染者の33歳の男性はこのように話しています。

『別に周りの人もそんなことを思ってはいなかったとは思うんですけど、自分として、毎月、同じタイミングで有休を取ったりというのがやっぱり続いてくると、疑心暗鬼になっちゃうというか、周囲の人に、「なんで彼は、最終週の月曜に必ずお休みを取るんだろうね?」みたいな風に思われているんじゃないかなというのを、勝手に、なんていうんですかね、本当に疑心暗鬼になって、そのストレスにつぶされかけて・・・。みたいなのはありましたね。「相当やっぱり悩みました?」悩みましたね。むちゃむちゃ悩みましたねぇ。』
                                    

理由を言えない苦しさは、私達が思っている以上にストレスがあるんだと思います。薬害エイズ訴訟の和解によって、HIV感染者は医療費の助成が受けられるようになったとともに、HIV感染者は「免疫機能障害者」として身体障害者手帳を取得できるようになりました。
お話いただいた男性は、不特定多数の人との性交渉が原因で、今から12年前、学生の時にHIV感染が分かったそうです。大学卒業後、現在は4社目の会社で働いていて、2社目からは、HIV感染の事実を会社側に伝えて、障害者として働いています。
その時の様子を、このように話しています。

『非常に上司の方が驚ろかれて、驚いたものの、「理解しました」と。「分かりました」ということで、で、その時の人事の人にも話しをして、「病院の日に、そもそも最初から休みを充てたらどうだ?」という話をして頂いて、「じゃあそれで」みたいな話にはなりました。思ってたより、周囲の反応は割とドライというか、「あっそうなの」みたいな感じだったですね。もちろん、その上司とその時の人事の人だけ知っているみたいな感じではあったので…。』

会社側も、感染の事実を告げられれば、「じゃあ、こうしよう」と、組織として動くことも出来ますよね。
また、HIV感染者を受け入れたことで、受け入れた会社側にも思わぬ変化が起きていると、「ぷれいす東京」代表の生島嗣(いくしま・ゆずる)さんは話しています。

『特別な人を迎え入れるって、最初は思っていたんだけれども、 もしかしたら、すでにうちの会社の中にもいるかもしれない。あるいは、今、検査を受けていなくて気付かないけれど、途中で分かる人が出てくるかもしれないという風に、自分の意識が変わりました」と人事の方が仰ったり、社員の方々も、「うちの会社は、結果がどっちであっても変わらずに働けるわけだから、この機会に自分も検査を受けようと思います」という風に社員の方々が仰るようになったり、そういう自然の変化があるんですね。』
                                 
「ぷれいす東京」では、HIV感染者の相談を受けるとともに、スタッフの中に感染者も働いていますので、会社にそうしたスタッフを派遣して、HIV感染に対する理解の橋渡しをしています。

「偏見や誤解」というのは、人の心の問題ですから、それを変えて行くというのは相当大変なことだと思います。
まだまだこうした受け入れが出来る会社は多くないと思いますが、皆さんの地道な努力が少しずつ実っているのを感じました。

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