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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

番組からのお知らせ
プロフィール

堀尾正明

堀尾正明(ほりおまさあき)

生年月日:1955年4月24日
出身地:埼玉県
趣味:ゴルフ

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大学在学中に文学座附属演劇研究所に入り、研究生としてミュージカルに出演。81年にNHKにアナウンサーとして入局、初任地はNHK北九州放送局。
東京へ異動後は芸能畑を担当し、95年開始の『スタジオパークからこんにちは』メインキャスターとなり、人気を博す。
00年『NHKニュース10』のキャスターに抜擢され報道番組を担当。その後『サタデースポーツ』『サンデースポーツ』担当に廻りスポーツ畑へ。2002 FIFAワールドカップのメインキャスターを担当。

長峰由紀

長峰由紀(ながみねゆき)
TBSアナウンサー

生年月日:1963年6月28日
出身地:埼玉県
趣味:演劇鑑賞、相撲観戦

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●出身高校:埼玉県立松山女子高等学校
●出身大学:立命館大学 文学部 中国文学科
●身長:153cm
●血液型:O型
●入社年度:1987年

人権TODAY

人権に関わる身近な話題をテーマに掲げて、ホットなニュースをお伝えしています。

外国人患者のための医療通訳

放送日:2014年02月01日
担当:山崎景子

病院で医者と外国人患者の診察中のやりとりを通訳する「医療通訳」を取り上げます。
日本の外国人登録者数は200万人を超えて、 人口のおよそ2%を占めています。
100人患者がいたとしたら、2人が外国人という数です。
日本語の話せる度合いも様々だと思うんですが、言葉が十分に通じず、
適切な治療を受けられない外国人患者は少なくないそうで、 医療通訳が足りていないのが現状です。
確かに病院で通訳を受けている人、見かけたことがない気もします。
そこで平成2年の開業から医療通訳を導入している神奈川県大和市の小林国際クリニックを取材しました。

診察室に医師と患者と通訳が入って、診察が進みます。
小林国際クリニックでは、タガログ語、英語、韓国語、タイ語、ベトナム語・スペイン語にも対応しています。
というのも、病院がある神奈川県大和市は、 インドシナ難民の日本への定住支援が行われたこともあって、
およそ70カ国の外国の方が住民登録をしているそうなんです。
小林国際クリニックには一ヶ月で210人もの外国人患者が来るそうで、
私が伺った日も、入れ替わり立ち替わり外国人患者が来ていました。
患者に話を聞きました。


★ここはベトナム語あるから嬉しいよ。
★通訳さんいらっしゃいますから、日本語あまりわからないからよかったですね。
★メディカルの医者の難しい言葉、わからないじゃないですか?
症状もそう ですし、どう言っていいのかわからない、チクチクするがわからなくて、
ただただ痛いとしか言えない。そうすると通訳してくれて助かります。


確かに、日常会話は話せても、外国人にとって医療の言葉は難しいですよね。
言葉がわからないから、我慢して病院に行かないという方もいるそうですが、
チクチク、ガンガン、イガイガといった擬音も伝えにくいですよね。
小林国際クリニックには2人通訳がいて、診察中はもちろん、
会計や薬をもらった後にも通訳が説明をしてくれるそうですが、
こんなこともしているそうです。
フィリピン出身で英語とタガログ語の通訳として7年勤務している 石間リサさんの話です。


いろいろな検診、注射があるんです。市役所から手紙が来ても無料なのに全部日本語で漢字。
読めないからポイするんです。今までそんな患者さんいっぱいいるんですよね。
ですから、私がこのシールあるから市役所からでしょ?    だから読めなくてもこっちに持ってきて、
先生許していましたから、私説明するよって言ったんですね。
ですから今ほとんどみんな来ていますよ。


家に届いた検診のお知らせなども訳してくれるんですね。
院長の小林先生は、自身も英語、タイ語などを話しますが、
外国人患者を診るときに必要なのは、実は「言葉だけではない」と話します。


医療っていうのはその国その国の文化の集大成なんですね。
ですからそういうことが分からないと、知らないうちに相手の不信感を買うことがある。
イスラム教の女性であれば、結婚している人はご主人の許可があれば結婚していない人は
保護者の許可があれば、男性の医者が見ることはできるけれども、
そうでなければ見ることはできないんです、無理やりみようとしたら必ずトラブルが起きます。
ですから、外国人を診察するには、風俗習慣そういうものを知らないと
上手に支えてあげることができないんですよね


医療にも、文化の違いという壁があるんですね。
お互いがスムーズに歩み寄るためにも、医療通訳は大切な存在ですね。
今、医療通訳は全国でおよそ2000人いて、しかも都市部や外国人が多い地域に偏っていて、
全国的にはまだまだ人数が足りない、というのが現状です。
その都市部の東京でも、ある調査では
医療通訳を雇う「金銭的な余裕」が無いことや、
患者の対応を準備する「人的・時間的余裕」が無いといった理由で
「大病院の3割が、言葉が通じない患者の受け入れは困難」 という結果が出ています。
小林先生は、例えば外国人患者を診ると 「診察料の点数が加算される」と
言ったことを導入するだけでも 現状は変わっていくのではないかと話していました。
「医療システム」を改善するというのも、ひとつの手ですね。
外国人の方は、対応している病院を探すのも大変だと思いますが、
東京都では「ひまわり」という医療機関の検索サイトがありますので、参考にしてください。
日本に住む外国人も増えていますが、 外国人観光客も年間1000万人を超える時代ですから、
対応する病院がどんどん増えていってほしいと思います。
同時に「医療通訳の育成」にも力を入れていって欲しいですね。

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