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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

番組からのお知らせ
プロフィール

堀尾正明

堀尾正明(ほりおまさあき)

生年月日:1955年4月24日
出身地:埼玉県
趣味:ゴルフ

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大学在学中に文学座附属演劇研究所に入り、研究生としてミュージカルに出演。81年にNHKにアナウンサーとして入局、初任地はNHK北九州放送局。
東京へ異動後は芸能畑を担当し、95年開始の『スタジオパークからこんにちは』メインキャスターとなり、人気を博す。
00年『NHKニュース10』のキャスターに抜擢され報道番組を担当。その後『サタデースポーツ』『サンデースポーツ』担当に廻りスポーツ畑へ。2002 FIFAワールドカップのメインキャスターを担当。

長峰由紀

長峰由紀(ながみねゆき)
TBSアナウンサー

生年月日:1963年6月28日
出身地:埼玉県
趣味:演劇鑑賞、相撲観戦

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●出身高校:埼玉県立松山女子高等学校
●出身大学:立命館大学 文学部 中国文学科
●身長:153cm
●血液型:O型
●入社年度:1987年

人権TODAY

人権に関わる身近な話題をテーマに掲げて、ホットなニュースをお伝えしています。

人の人生を読む「ヒューマンライブラリー」

放送日:2014年01月04日
担当:楠葉絵美


今回は『ヒューマンライブラリー』についてです。

どういうものかと言いますと、
『ヒューマンライブラリー』を日本語に直訳すると【人間の図書館】
その名前の通り、人間が「本」になって貸し出されるんです。

人間が本になる?どういうこと?と思われますよね。
「貸し出す」と言っても人ですから、
本のように持ち歩くわけではありません。

実際には「本」役の人がいる部屋へ行って話を聞く、という仕組みです。
まず、パンフレットから読みたい本のタイトルを探して、
受付で読書カードに記入し、本役の人のいる部屋へ移動します。
手続きは、図書館で借りる仕組みと一緒です。
本が借りられる時間は30分で、本と2人きり、1対1で対話します。
ヒューマンライブラリーはもともとはデンマークで始まった動きで、
日本では大学を中心に年に何度かイベントが開かれています。

今回、取材に伺ったのは昨年12月1日に明治大学で行われたヒューマンライブラリーです。

こうした人が本になる、という試みについて、明治大学の横田雅弘教授にお話を伺いました。
「大学って本から勉強することが多いじゃないですか、直接会ってお話する、
そうしないと本からだけでは勉強出来ないことがたくさんあるなと思っていて、
特に異文化のこととか偏見のことなどは、本で読んでも自分が直接向き合う経験をしないと、
感覚的にわからないですよね、
その機会を学生たちに実際に会って学んで欲しいなって思った、
そういう意味からもうこれしかない!と思いました。」


確かに本だけでは学べないことってありますよね。

本の役をつとめるのは、障害や病気により偏見や誤解を受けやすい人たちです。
私が「本」を読ませていただいたのは
高次脳機能障害 小林春彦さんのタイトル「リハビリを放棄した日」です。
実際にこういう本があるわけではなく、
本役の人、つまり小林さんが自分の経験を語る内容が、
そのまま本の中身、ということになります。

つまりヒューマンライブラリーは、本を読んで知識を得るのと同じ感覚で、
「本」役の人の話を聞くイベントということです。


本になっている人たちはどういう思いで本になっているのか、聞きました。
「男性:私を読みに来てくださいって感じで。でもこっちも読ませてって感じなんですよ。
新しいストーリーが毎回毎回生まれるんですよね。
非常にナチュラルにお互いのコミュニケーションが出来るっていうのは
すごく大事なポイントかなって思いますよね、ヒューマンライブラリーって。
女性:自分がパラリンピックの選手なので、諦めないことの大切さだったりとか
皆さんの心に1つでも残るものがあればなあということで参加させていただいてます。
男性:この1対1で30分ずっと一緒しかもほとんどがはじめましての人、
というのは本当にこのヒューマンライブラリーならではだなと思って、
でもそこには読者の方も興味を持って来て下さる、
で、本も自分たちでしっかりと決意をして参加をしているっていうところで、
すごく良い対話が、受け身じゃない対話が生まれているところが すごく良いなと思ったので、
参加させてもらえて良かったなと思ってます。」


皆さん知っていただきたい気持ちが強いんです。

こうした障害や病気の話は、専門家が話すより当事者が話す方が相手に伝わるから、
ヒューマンライブラリーは大切な場所なんですと皆さん話していました。

一方、読者として参加していた人の声です。
「女性:色んな障害持ってる方とかそういう同性愛の方とかでも、
全然自分と一緒じゃんって思うようになりましたね。
女性:講演会だとなかなか具体的にどうなんですかとは聞きづらいけども、
1対1ではフレンドリーに聞けるじゃないですか、それはやっぱりプラスだと思います。
女性:感動しました。本当に。
いろんな生き方があって、ここまで話せるまで時間がかかったって人もたくさんいて、
なんかの障害があるとかマイノリティだとか、全く気にしないで楽しく話してました。
男性:こういう形で借りる本も新たな経験みたいのをより直に得られるので
やはり本より良いですね、本らしいというか。」


講演会など大勢で話を聞くのとは違って、
1対1だからこそ、今まで聞けなかったことも聞きやすいという声が多かったです。
そうして個人と個人の関係になることで、人の見方が変わっていく、
これがヒューマンライブラリーの一番大きな特徴なのかもしれません。

目の前に生きた本がいる、
その言葉は活字を読むよりもずっと心に響くんだと思います。

現在は、大学(明治大学・駒沢大学など)を中心に年に数回開催しているので、
そこに行けば「本を借りる」(本に会って話を聞くこと)ことが出来ます。


これから、地域の図書館とかショッピングモールなどの身近な場所でも開催して
活動が広がっていくと良いなと思いました。

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