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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

番組からのお知らせ
プロフィール

堀尾正明

堀尾正明(ほりおまさあき)

生年月日:1955年4月24日
出身地:埼玉県
趣味:ゴルフ

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大学在学中に文学座附属演劇研究所に入り、研究生としてミュージカルに出演。81年にNHKにアナウンサーとして入局、初任地はNHK北九州放送局。
東京へ異動後は芸能畑を担当し、95年開始の『スタジオパークからこんにちは』メインキャスターとなり、人気を博す。
00年『NHKニュース10』のキャスターに抜擢され報道番組を担当。その後『サタデースポーツ』『サンデースポーツ』担当に廻りスポーツ畑へ。2002 FIFAワールドカップのメインキャスターを担当。

長峰由紀

長峰由紀(ながみねゆき)
TBSアナウンサー

生年月日:1963年6月28日
出身地:埼玉県
趣味:演劇鑑賞、相撲観戦

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●出身高校:埼玉県立松山女子高等学校
●出身大学:立命館大学 文学部 中国文学科
●身長:153cm
●血液型:O型
●入社年度:1987年

人権TODAY

人権に関わる身近な話題をテーマに掲げて、ホットなニュースをお伝えしています。

帝王切開ママの心をケアする本

放送日:2013年10月05日
今日は、書籍『ママのための帝王切開の本』をきっかけに、
帝王切開で出産したことに悩むお母さんの心のケアについて
TBSラジオの中村友美ディレクターが取材しました。

「ママのための帝王切開の本」は、
産婦人科医・助産師・そして帝王切開を実際に経験したお母さんの
3人で書かれた、帝王切開についてのガイドブックです。
この本を書いたきっかけについて、
著者の一人である産婦人科医の竹内正人さんに伺いました。


「帝王切開というのは急に何らかの理由があって帝王切開になる。
でもお産というよりは赤ちゃんやお母さんを救う医療的な処置みたいな感じだったの。
お母さん達もね、どういう気持ちであるかとか、
病院の中でもあんまり僕らは分からなかったんだけども、
ここ20年ぐらいの間で10%ぐらいだった帝王切開率が、
20%、倍になってきたんですね。5人に一人は帝王切開。
しかも情報があまりない中で、帝王切開になったお母さんも、
次どうなるのかっていうことも不安だったし、
急に帝王切開って言われてどうしたらいいのか分からないっていう方がすごく増えてきた。
そういう社会の状況の変化があって、
帝王切開についてきちんとお母さんむけに書籍を作ろうという風に考えました。」


竹内さんによると、帝王切開の割合が増えた理由は大きく二つあるそうです。
ひとつは産む年齢が高くなったことによって、難産になりやすく、
帝王切開が行われるケースが増えたこと。
もう一つは、だんだん社会がリスクをとらなくなったことです。
少しでも安全に産むことが第一に考えられ、
昔は逆子でも自然分娩が多かったんですが
今はほとんど帝王切開だそうです。
ですが、実際にお母さんたちは帝王切開についてどう思っているのか、
著者の一人である細田恭子さんが講演を行った、
埼玉県久喜市の子育てネットワーク・ハッピーさんにお邪魔して、聞いてきました。


「今まだ逆子なので、もしかしたら帝王切開かもっていうことは先生に言われてるんだけど、
すぐに5分10分で生まれてくるとも言ってるから、
帝王切開の方が体的にも赤ちゃんにもいいのかな、とは思ってますけど」
「私も二人とも帝王切開で、出産してるんですけど、女性として生まれたので、
普通分娩、陣痛とかを一度は経験したかったなっていう思いは
拭い去れないところなんですが」


すぐ生まれるから体の負担が少なくて良い、というイメージもある反面、
実際に帝王切開を経験したお母さんにとっては、
できればしたくなかったという思いがあるようで、
3回の帝王切開を経験した著者の細田さんも、
「女性イコール下から産むという図式があって、
帝王切開になったということは、女性ではない、
女性なら普通にできることができなかった、という思いがあった」と話してくれました。
それでも赤ちゃんとお母さんの身体のリスクを考えれば
帝王切開を選択したことは決して間違ったことではないはずなのですが、
お母さん達が帝王切開で産んだことに後悔してしまうのは、
まわりの人の何気ない言葉が原因のひとつかもしれません。
細田さんは、帝王切開についての情報を発信するホームページ
「くもといっしょに」を運営しているのですが、
そこに、こんな相談が寄せられたと教えてくれました。


「麻酔をして手術なので、
『陣痛体験してなくてラクしてよかったね』って言われるのが多いですね。
それから中には、お姑さんから『うちの家系にはいなかったわよ』って
ポロっと言われたりとか、
医療者からもかけられる言葉が多くて、
下から産みたいっていうお母さんの気持ちを考慮しての言葉なんですけれども、
『残念だったね』って帝王切開で生まれた子に言ってしまう」

医療者までも、お母さんの気持ちを配慮せずに
傷つける言葉をかけてしまうケースがあるようなのですが、
そもそも、医療の現場において帝王切開への配慮が行き届いていない点も
問題だそうです。
母親学級でも帝王切開についての説明はさらっと流されてしまうそうですが、
全員に起こりうることなのできちんと説明してほしい、と細田さんはおっしゃっています。
それでも、帝王切開をしたことで悩んでいるお母さんについては、
産み方にこだわっていると何も進まなくなってしまうということで、
細田さんは、こんなアドバイスをしているそうです。


「自分で作るお産、自分で作る帝王切開っていうのを考えることもできるよ、
っていう風に助言はしています。
最初に手を握らせてくださいとか、
私はどんなにボロボロでもいいから写真を撮ってくださいとか、
産むときに「ハイ力んで」って言ってくださる先生もいらっしゃるんですよ。
そうすると帝王切開でもちょっと力入れると、
自分で産んだっていう感じがして。
あとは、どうして帝王切開が嫌だったのか、 その理由をはっきりさせてみること。
例えば、どうして帝王切開になったのか分からないという方には、
電話をして先生にもう一回聞いてみなさいって、答えてくださるので。」


このように帝王切開でも産みの実感を得られる方法はありますが、
細田さんは、決して帝王切開が増えることを望んでいるわけではなくて、
帝王切開に関する情報を増やしてほしいとおっしゃっていました。
それは医療の側が発信する情報だけではなくて、
お母さん達も自分の体のことを知らなすぎので、
それがこの本を作るきっかけになったと話されていました。
この本をきっかけに、帝王切開に対するきちんとした理解が
広まってほしいと思います。

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