担当:山崎 景子
今日はフリーペーパーを取り上げます。
『おしゃれの決め手はやっぱり目力』『ときめく春服で恋を始めよう』と表紙に書いてあるんですが、、
『Co-Co Life女子部』という冊子。
こちら「障がいがある女性に向けて」作られているんです。
表紙に車椅子の女性が写っているんですが、
障害がある女性にモデルになってもらって、
ファッションやコスメ、
グルメ、旅情報などを発信しているんですが、
実は取材や編集スタッフにも障害がある女性たちが参加しているそうなんです。
『Co-Co Life女子部』の編集長の大部 令絵(おおぶ のりえ)さんも、その一人で、
下垂体機能低下症という、ホルモンがうまく分泌されない難病を抱えています。
当事者が加わって作られた冊子にはこんな特徴があるそうです。
★普通の雑誌にはないような視点、当事者ならでの視点を盛り込んでいまして、
例えばおしゃれ一つを取り上げるにしても、車椅子に座っている
ような
、座ったポジションで膝にポイントが来るようなボトムを選んだり、
どんなに可愛いスカートでも両手が使えなかったら履けないわけですよね?
被ってきられるワンピースとかウエスト部分がゴムになっているスカートを集めています
当事者の目線で作られているわけなんですね。
この雑誌作りには半身麻痺で杖を使っている人や全盲の人など、
およそ20人がスタッフとしてかかわっています。
当事者が作るので、かゆいところに手が届くじゃないですけど、
欲しい情報がピンポイントで載っています。
例えば『車椅子で行く!東京スカイツリー』という特集があるんですが、
骨形成不全で車椅子生活をしている是永小百合さんが担当しました。
紙面に『普通展望台に行くと、手すりが車椅子の目線に来てしまうのが
ネックだけど、
スカイツリーは全面ガラス張りなので景色を眺めることができます』と載せた所、
読者からの反響が大きくて嬉しかったそうです。
是永さんにどんな思いで記事を書いているのか聞きました。
★障害を持っている人たちは、できない事とか不便な事とか、それでも
オシャレをしたい、
何処かに出かけたいというのがあるじゃないですか?
実際に雑誌がきっかけでこういう事ができましたとか、そういう人たちが
出かけられるきっかけになれれば良いなと思っています。
一歩踏み出すきっかけを作りたいと。
実際是永さんは『Co-Co Life女子部』のおかげで、編集の仕事を
したいという夢が叶って
デザインの学校にも通うようになったそうです。
もう一人、アイディアグッズのコーナーを担当している
堀越美江(よしえ)さんは
生まれつき上肢障害で腕の長さが短いという
障害を抱えています。
堀越さんはこんなこだわりを記事に込めているそうです。
★私でも使えるものを紹介するのと、かつ健常者が使ってもオシャレで機能的なアイテムを紹介したいと思って。
ユニバーサルデザインというものに興味があって、障害がある人も健常の方も両方の人にとってwin-winなものが増えて行くのが
良いなと思うので、今後そういう紙面を作って行きたい。
冊子の方も、障害関係なく『ユニバーサルな』人たちに
見て欲しいというわけですね。
ですが、発行から1年。まだまだ課題があると編集長の大部さんは
話します。
★紙面と電子版と言ってPDF版がHPから取れるんですけど、
どちらも全く目の見えない人には対応してきれていないのが現状でして、
もっとたくさんの方に読んでいただける工夫というのは考えて行きたいなと思っています。
目が不自由な方でも読めるようにして行きたいというわけなんですね。
『Co-Co Life女子部』のコンセプトは、バリアフリーという言葉がいらない社会する事だそうなんですね。
内容や設備をよりブラッシュアップしていって、より多くの人の目に止まる機会が増えれば、
垣根がなくなって、いずれそんな社会がやってくるんじゃないかなと思いました。
『Co-Co Life女子部』 3ヶ月に1回の発行で、8月号が出たばかりです
リハビリセンターや病院、学校、障がい者センターなどで
手に入ります。
詳しくは『Co-Co Life 編集部』にお問い合わせください。
TEL03−5385−2596
(受付時間は月曜〜金曜の10時から17時までです)
関連情報・お問い合わせ先
- Co-Co Life 編集部
http://www.co-co.ne.jp/