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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

番組からのお知らせ
プロフィール

堀尾正明

堀尾正明(ほりおまさあき)

生年月日:1955年4月24日
出身地:埼玉県
趣味:ゴルフ

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大学在学中に文学座附属演劇研究所に入り、研究生としてミュージカルに出演。81年にNHKにアナウンサーとして入局、初任地はNHK北九州放送局。
東京へ異動後は芸能畑を担当し、95年開始の『スタジオパークからこんにちは』メインキャスターとなり、人気を博す。
00年『NHKニュース10』のキャスターに抜擢され報道番組を担当。その後『サタデースポーツ』『サンデースポーツ』担当に廻りスポーツ畑へ。2002 FIFAワールドカップのメインキャスターを担当。

長峰由紀

長峰由紀(ながみねゆき)
TBSアナウンサー

生年月日:1963年6月28日
出身地:埼玉県
趣味:演劇鑑賞、相撲観戦

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●出身高校:埼玉県立松山女子高等学校
●出身大学:立命館大学 文学部 中国文学科
●身長:153cm
●血液型:O型
●入社年度:1987年

人権TODAY

人権に関わる身近な話題をテーマに掲げて、ホットなニュースをお伝えしています。

「怠け」や「うつ」じゃない。起立性調節障害とは?

放送日:2013年08月03日
担当:清水 栄志

きょうは、ここ数年で注目されはじめてきた『起立性調節障害』という病気についてです。
起立性の起立というのは、立ち上がるという意味の起立です。
この起立性調節障害は、「怠け」や「うつ」によく間違えられる病気だということなんです。
詳しいお話を、大阪医科大学 小児科の田中英高(ひでたか)先生に伺ったところ
「起立性調節障害は自律神経機能の働きが悪くなり起立時に
体や脳への血流が低下する病気。
様々な症状、立った時に強い立ち眩み、朝起きが悪い、
頭痛動悸が激しい、夜寝付けない、ひどい人は失神発作がある。
そしてこの病気は思春期に多く起きる。軽症も入れると
中学生の約1割が罹る。症状は午前中に強く、午後からは体調が回復します。
すると、学校が嫌でサボってるんじゃないかと勘違いされる事になる。」
ということなんです。

この起立性調節障害、子どもがかかりやすい病気で
日本では60年くらい前から病名が認識され始めました。
でも当時、きちんとした検査基準が確立されてなかったので、
数十年の間、『怠けているだけ』としか、認識されて来なかったんです。
しかし、2000年ごろに新しい検査方法が出来て、
起立性調節障害をハッキリと診断できるようになりました。


ただ、まだまだ病気が理解されない中、
保護者同士が集まって、起立性調節障害についての
情報交換をしているのがNPO起立性調節障害 ピアネットアリスです。
参加されている保護者の方に参加されての感想を伺ったところ
「親としての、辛い思いを吐き出して共感をして、私自身の安心感になったし、
子どもに対しても、ゆっくり休めばいいという気持ちになれたのはとても大きかった。」
という声や、
「オフ会とか機会があるといろんなこと少しずつ話せるので解放される。」という方、
「学校に行かせなくちゃという思いが何よりも強かったので、どうしたらいいかと
思っていたところ、同じ思いをいているお母さんがたくさんいて、
『いましか休ませてあげられないんだよ』と言ってもらって肩の荷が降りた。」
という保護者の声がありました。
起立性調節障害の症状は人それぞれで、
必ず特定の症状が出るという病気ではないんです。
そのため、起立性調節障害と診断されても
『自分の子どもは、特別に悪いんじゃないか』など
混乱して、不安になったりするんだそうです。
ピアネットアリスでは『親自身が元気になろう』というテーマを設けて、
保護者同士が集まり、いろんな話を聞いたり
自分の悩みを打ち明ける場を作っています。
それによって、保護者の不安を解消し、
ひいては、子どもの症状を軽くする事に繋げようとしています。
語り合いの場ではほかにも、
「周りの理解がほとんどないので、
友達や先生がどうして休んでるの?
そんなことで休んでるの?みたいな。気合いだとか気力だとか
必ずみなさんそういう言葉を仰るので、そこが理解してくれなかったことが大変でした。」
と仰る方や、
理解されないのはつらい。親が参ってしまってうつになってしまったり、
私も一時期そういう時期がありましてまず親が元気になる
という事だということを実感している。」
という声もありました。

ようやく病気として認識され始めた起立性調節障害ですが、
やはり当事者以外は、理解できなかったり誤解してしまうという現状があります。


さらに大阪医科大学の田中先生は、
「起立性調節障害という事を、国民の皆さんが知って頂く事が重要だと思う。
というのは、日本人は欧米諸国に比べると低血圧傾向にあるようなんです。
という事は、体調不良になりやすいということがあるので、
私は国民病と言ってもいいのかと思う。教育学部の教育課程にも
起立性調節障害を学校の先生方にも学んで貰えるとありがたいと思う。」
と仰っていました。

また起立性調節障害は、学校側の理解が進んでいないという事だけではなくて
病気の診断ができない医療機関もまだ多いということなんです。
田中先生は、『起立性調節障害サポートグループ』というサイトを監修しています。
このサイトを使って起立性調節障害を診断できる医療機関を
確認して欲しいと仰っていました。

怠けるつもりがなくても、周りから誤解されてしまう本人が辛いでしょうから、
この病気を周りの人たちが知って、理解していく事が大切だと思いました。

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