今日は、聴覚障害者のオリンピック「デフリンピック」に出場する
男子サッカー日本代表について
TBSラジオの中村友美ディレクターが取材しました。
「デフリンピック」の「デフ」は、
英語で耳が聞こえないという意味なのですが、
4年に1度開催される聴覚障害者のためのスポーツ大会で
実は、「パラリンピック」よりも歴史の古い大会なんです。
今年は7月末から、ブルガリアの首都ソフィアで開催されます。
聴覚障害者のサッカー競技には、どのような特徴があるのか?
デフリンピックのサッカー競技におけるルールについて、
日本代表を率いる監督の柴田英輝(えいき)さんに伺いました。
「ルール上、補聴器は一切付けてはいけないことになっております。
ただやはりホイッスルが聞こえないということで、
審判のジャッジすぐにプレイを止めることができないので、
ラインズマンという副審の代わりに、審判も旗を持って合図を送って、
なおかつゴール裏とかに、審判のジャッジと笛の音と同時に旗を振る係の方がいます。
それ以外はほとんどFIFAのルールと同じです。」
旗で合図を送る以外は、通常のサッカーとほとんどルールが変わらないということですが、
耳の聞こえない選手同士、試合中にどうやってコミュニケーションをとるのか?
デフリンピックサッカー男子日本代表でミッドフィルダーを務めるチームの司令塔
中島正行選手に聞きました。
「確かに、プレイ中に話したいことがあっても、
相手が気付いてくれないことがよくあります。
ワンプレーごとに、何となく、アイコンタクトする習慣がありますので、
その時にいろいろ話し合います。
全員できるわけではないですが、事前にお互いに決まり事など頭に入れておけば、
何となく、出来るようになります」
実際に中島選手がチームメイトと練習する様子を見学してきましたが、
手話を使わずとも阿吽の呼吸といった感じでパスのやりとりをしていました。
一方、聴覚障害者サッカーの知名度が低いことで、
苦労している点もあるということです。
柴田監督のお話です。
「日本代表といえども選手の自己負担で
合宿や大会の遠征費を負担している部分がありますので、
合宿の回数だったりとか、
金銭的な問題で選手が大会に参加できないということもありましたので、
そういった部分ではとても、苦労した部分ではあります。
合宿が土日、または3連休だったりするのですが、
工場だったり仕事上休みが取れない倍があります。
そういった部分では会社にご理解いただいて休みを取っていったりとか、
お子さんがいる選手は金善的に厳しい中で家族の理解を得ながらやっています。
今回、ブルガリアのデフリンピックに参加するにあたっては、
選手、スタッフ全員から一時金として20万円を集めているということでした。
また、監督も話していましたが選手のほとんどが働きながら
サッカーの練習をしているため、スケジュールを合わせるにも
職場の協力が必要だそうです。
このように苦労も多いのですが、
純粋にサッカーが好き、という気持ちで
日々練習に励んでいる選手たちのことをまずは知ってほしい、
と監督はおっしゃっていました。
最後に柴田監督に、デフリンピックに向けての意気込みを伺いました。
「去年のアジア大会では初めてアジア王者に輝くことができましたので、
選手も本当にその自信と、実際経験も上がりまして、
今回のデフリンピックに向けてはすごくいい合宿もできましたので、
あとは実際大会で、しっかり世界王者を獲るという気持ちを強く持ってやれば、
間違いなくチーム目標である世界王者獲れると思ってますので、
必ず獲って、みなさんに良い報告をしたいなと思ってます。」
そして、中島選手のコメントです。
「チームはとてもいい状態なので、
金メダルを目指して思いっきりぶつけていくだけです」
聴覚障害者のサッカー男子日本代表、
デフリンピックへは3回目の出場で、
前回前々回は共に12位という結果でしたが、
アジア大会での優勝もあり、今回は手ごたえを感じているようです。
デフリンピックサッカー日本代表、皆さんもぜひ応援してください。!
関連情報・お問い合わせ先
- 日本ろう者サッカー協会
http://jdfa.jp/
- 第22回夏季デフリンピック競技大会
http://www.jfd.or.jp/sc/sofia2013/