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最高齢?のボランティアグループ あみあみクラブ
放送日:2013年03月09日
担当:山崎 景子
今朝はアクリルの毛糸で編んだ「食器用のスポンジ・たわし」の話。
黄色・赤・青などカラフルな糸で編まれたコースターのような形をしています。
これで洗剤を使わずに水洗いで綺麗に汚れが落とせるそうです。
このたわしは、20年間タイ・ミャンマー・インドなど
「途上地域の山岳少数民族」の「教育と健康」の支援をしているNPO法人が、
学校給食のあとに子供たちに使ってもらおうとボランティアで
送っているものです。
ただ、この「たわし」、意外な人たちが
編んでいるそうなんです。
主催しているNPO法人「地球市民ACTかながわ」の代表
近田(ちかだ)真知子さんのお話です。
☆アミーユという介護施設で、お年寄りの方が皆でアクリルのたわしを編んでくださっています。
私の主人の母がこちらに入所させて頂いた所、
皆さんお元気なお年寄りばかりで、こんな編み物とかやっているのよと見せて頂いて、
これは途上国に持っていったら子供たちが喜ぶだろうなと思って
アクリルのたわしを作って頂くようになったんですね。
施設のお年寄りの皆さんが編んでいるんです。
横浜にある有料老人ホーム「Sアミーユ横浜神大寺(かんだいじ)」に
入居しているおばあちゃんたちが編んでいます。
平均年齢はなんと88歳です。
ボランティアって大学生とか若い人のイメージですけど、、、
平均年齢が88歳とはボランティアグループとしては
最高齢かもしれないですね。
「あみあみクラブ」という10人ほどのメンバーで、毎月第4金曜日の
レクレーションの時間に集まって活動しているそうです。
もともとレクレーションの時間に、施設側が利用者のやる気を
いかに引き出すか試行錯誤していた時期に申し出があったそうで、
人の為になることが活力になると考えて引き受けたそうです。
では、実際はどうだったのか?
編み物は実は初心者だったという85歳の藤田八千代さんに話を聞きました。
☆健康を害して入院して退院後、だんだん健康を取り戻して行ってみたら、
なんか手持ち無沙汰になって、なんか役に立つことはないかって考えていたんですね。
それで恥ずかしいけど始めたんです。
あの子達が輝かしくて、
泣いて喜んでいるのを写真で拝見して、
わあこの一目一目が
あの子達のいずれ喜びにつながるんだと思うと、
余計に嬉しくなって
たどたどしいんだけど、、
あの子達が喜ぶと思ったけど、結局自分の喜びにつながりましたね。
誰かの役に立っていると、自分も嬉しくなりますよね。
もうひとり話を聞きました。
編み物が女学校時代から得意だった87歳の出口光子さんです。
☆ここ閉鎖的なところですよ。みんな足が悪かったり、
でもそういう中にいてもこういうものを通して外に向かってチャンスがある、
それはすごいことだと思うね。このたわし一枚、
これでミャンマーとつながる不思議というか。
私たちが横浜のこの神大寺でここ編んだなんてあの子供達はわかってくれるでしょうけど、
でもお皿が綺麗になって嬉しいんじゃない?それで十分
たわし1つを通して遠くの国とつながりを実感できるわけですから視野が広がりますね。
NPO法人地球市民ACTの代表近田(ちかだ)さんもこのように話しています。
☆ボランティアって往々にして一方方向の場合が多いんですよね。
私が誰かに何かをしてあげるみたいな。施しのようにこれあげますよというのは本当のボランティアではなくて。
それがこのプロジェクトでは双方向に
お互いにすごく幸せと楽しみと愛を分かち合えるところが、
そして何歳になっても人の役に立てるという充実感が得られることが、
すごくいいと思います。
お互いに良い影響を受け合っているんですね。
このボランティアは始まって1年経つそうですが、
当初50枚くらい出来ればいいかなと思っていた所、
3000枚もたわしが出来上がったそうです。
また介護施設「Sアミーユ横浜神大寺の職員 榎本さん」によると、
部屋に閉じこもっていた人もたわし編みに参加するようになったり、
休憩時間などの時間外でも部屋の方で編んでくれる人がいたり、
施設の中でも相乗効果が生まれているそうです。
また、表情も穏やかになって、
皆さん生活にハリが出てきて、
若返った感じがしますとも話していました
このアクリルの毛糸一本一本が、「日本のお年寄り」と
「遠く離れたアジアの子供たち」を繋いで、
互いに生きる喜びを与えているようですね。
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