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『乳がん経験者の旅支度 お宿ネットワーク設立』
放送日:2013年01月26日
寒い日が続いていますが、今朝は『温泉』のお話です。
先月ある温泉宿を特集した「こんな冊子」が発行されました。
『ピンクリボンのお宿』と言う表紙。
『ピンクリボン』って言えば、乳がんの啓発活動のシンボルですが、、、
実はこの冊子、乳がんの方のために作られたものなんです。
詳しい話を発行元の「ピンクリボンのお宿ネットワーク」事務局長の
有島誠さんに聞きました。
☆乳がんの手術をされて回復はしているんですが、
その傷跡を気にして旅を諦めてしまう女性の方々が多いと伺っておりまして、
大浴場とか脱衣所とか人目を気にしてしまうのが一番の障害になっているらしいんですね。
そういうことをなんとか宿側の配慮で、
気にしないでゆっくり温泉を楽しんで頂く宿作りをしていこうというのが、
ピンクリボンのお宿という冊子なんです。
「乳がん患者に配慮した温泉宿」を集めた冊子なんですね。
国立がん研究センターの調べでは、日本人女性の16人に1人は
乳がんになり、
患者は毎年5万人を超えるそうです。
乳がんは早期に発見すれば90%以上が治ると言われていますが、
完治しても、傷跡が気になる人も少なくありません。
そこで、そんな女性たちに安心して温泉を楽しんでもらおうと、
去年の7月に温泉宿やおかみの団体からなる「ピンクリボンお宿ネットワーク」が発足し、
12月の冊子の発行に至りました。
冊子には北は岩手から南は鹿児島までのおよそ60の温泉宿が載っていて、
温泉の写真の下に、「洗い場に仕切りがある」
「脱衣所は他人から見えない工夫がある」
「タオルを多めに用意している」といった、宿ごとの「配慮」が書かれています。
「入浴着の使用が可能」というところもあります。
この中の一軒、箱根にある温泉宿「花紋」に実際に行ってきたんですが
脱衣所の照明がやや暗めになっていたり、洗い場の仕切りがあったり、
あまり周りから目立たないように工夫されていました。
また、通常は有料の貸切風呂が、冊子を見て予約をした人は
無料になるサービスもありました。
乳がんの患者さんに、この冊子の感想を聞きました。
17年前に手術をした60代後半の女性のお話です。
☆温泉に行って泊まるからには大きな大浴場に行きたいと思いますし
でも皆さんと一緒に入ることの抵抗はありました。
私は右を全摘しているんですけど、一番端を取るように、
右端に誰もいないような所を探していましたね。
だから今度はそんなことがなくなったのが、すごくありがたいなと思いました。
もうひとり、同じく17年前に乳がんの手術を受けた
50代前半の女性のお話です。
自分の母親も乳がんをやっていて、親子で一緒の病気なので二人で入れば怖くないとか言って、
一緒に行ったりもしましたけど、行ってみるけどやっぱり いいわとか、
すごく遅い時間に、誰も入らなくなったようなそういう時間を 狙っていくとか
そういうことが多かったので、入りたい時間に堂々と入れるかなというのがあったので、
すごく嬉しいなと思いましたね。
温泉入ればすごく気持ちいいですよね。傷の痛みも和らぎますし
心も癒されると思いますからいいと 思いますよ
周りを気にせずに体も心も癒されますね!
先程のピンクリボンお宿ネットワークの事務局長 有島さんは、
この冊子は、患者だけの為ではないと話します。
患者さんと今度ご家族も入れると、200万人くらいいるんじゃないかと 言われているんですよ。
家族旅行行かなくなったという方が。せっかく病気自体は手術をすることで
良くなられ方もいらっしゃると伺っているので、
お母さんが行かなくなったことで諦めていた旅行が、
じゃあ今度の休みに行こうかということになったらありがたいなと
自分の奥さんやお母さんが患者である場合もあるわけですから
この冊子をきっかけに旅行にいけるようになるのはうれしいですね。
有島さんによるとお宿ネットワークに加入している宿などは増えていて
今は100軒ほどになっているそうですが、
まだ空白地帯の都道府県も
あるそうなんです。
特別に貸切風呂を作るまではしなくても、タオルを多めに用意するなど
そんな小さな配慮から始めてもらって、
今はまだ「点在」している宿でも
数を増やして行って、今後「点」を「面」にしていくのが目標だそうです。
冊子は医療機関などで無料で手に入ります。
詳しくはピンクリボンの
お宿ネットワーク事務局にお問い合わせください。
電話番号は03-3834-2718
女性の多くが抱える病気ですから、旅行する楽しみを失わないために
必要な取り組みですね。
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