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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

番組からのお知らせ
プロフィール

堀尾正明

堀尾正明(ほりおまさあき)

生年月日:1955年4月24日
出身地:埼玉県
趣味:ゴルフ

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大学在学中に文学座附属演劇研究所に入り、研究生としてミュージカルに出演。81年にNHKにアナウンサーとして入局、初任地はNHK北九州放送局。
東京へ異動後は芸能畑を担当し、95年開始の『スタジオパークからこんにちは』メインキャスターとなり、人気を博す。
00年『NHKニュース10』のキャスターに抜擢され報道番組を担当。その後『サタデースポーツ』『サンデースポーツ』担当に廻りスポーツ畑へ。2002 FIFAワールドカップのメインキャスターを担当。

長峰由紀

長峰由紀(ながみねゆき)
TBSアナウンサー

生年月日:1963年6月28日
出身地:埼玉県
趣味:演劇鑑賞、相撲観戦

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●出身高校:埼玉県立松山女子高等学校
●出身大学:立命館大学 文学部 中国文学科
●身長:153cm
●血液型:O型
●入社年度:1987年

人権TODAY

人権に関わる身近な話題をテーマに掲げて、ホットなニュースをお伝えしています。

「遠距離介護って何?」

放送日:2012年12月15日
今日は介護の話です。
「遠距離介護」に向き合う人が増えていると聞いて取材しました。
「遠距離介護」?介護が必要な親のために遠い距離を通う?
長い時間をかけて通ったうえの親の介護はちょっと大変なんじゃ ないのかな?と思った方もいるのでは?

今回取り上げる「遠距離介護」についてまず、
九州の両親を遠距離介護する50歳代の男性の話をお聞き下さい。


物理的に何かができるということじゃなくて、身体的に何かができるという事ではなくて、
何も出来る訳じゃないんですよ。結局お世話になるのは、地元 の方々
親戚の方かもしれないし、近所の方かもしれないし、施設の方、ケアマネの方、
ヘルパーさん、お医者さん、そう言った方々と、密に連絡を取りながら、
父母の気持ちに沿うような暮らしを作り上げることが遠距離介護。
ケアマネさんなんかとメールでやりとりをしてちょっと様子を見てもらったり、
こっちのコミュニケーションはあんまり聞いてくれないので、
病院の先生からこういってもらっていいですか?って心理的であったり、経済的かもしれないですけど、
やりとりをしているわけです。


つまり『遠距離介護』とは直接的な介護の負担ではなくて、
介護をしてくれる人達とどう接するかという『間接的な負担』のことを言うんですね
この「遠距離介護」と、どう向き合うのかを支援しているのがNPO法人「パオッコ」です。
「パオッコ」は当事者同士の悩み相談や意見交換が出来る場所「サロン」をつくっていて、
先ほどの男性は先月、東京・文京区で行われた 「遠距離介護」のサロンを取材した際の話だったんです。
この方は認知症の父親が老人ホームにいて 母親は一人暮らしをしています。
そして、母親も最近介護が必要になってきたそうなんです。
やっぱり近くにいない分、もどかしいことも結構あるようです。
だからといって今の暮らしをやめて、故郷に帰るということも 難しいと思うのですが、
そこで大切なのが「一人で悩まない」ということなんです。
仲間が集まって話せる場「サロン」の役割が大きくなるんです。
取材した日は40歳代から50歳代の男女6人が「サロン」に 参加していました。
話の中には例えば…
「親に電話が全く通じないことがあって、結局電話会社の工事ミスが原因だったけど、
調べてみるといざという時は近くの警察が見に行ってくれるみたいですよ」という情報が出てきました。
また 「いざという時のためにお金の管理をしてあげないといけないけど、
遠方に住む子供よりも、近くの弁護士などに頼んだほうがいいかな?」 といった相談事が出てきて
話し合いは2時間ほど続いていました。
こうした情報交換や、相談しあう場所は
「一人で悩みながら試行錯誤する」より遙かに有効ですよね。
そして「遠距離介護」には、単純に距離の問題だけではありませんでした。
このサロンに初めて参加した45歳の男性はこのように話しています。


電車で2時間くらいなのでそれほど遠距離に当たらないかもしれないけど、
実家に帰れるのは月に1,2回なので、そういう部類に入るかもしれないです。
母親がくも膜下出血で入院していて、来年の3月までに次どうするかを考えないといけない状態ですね。
今まだ病院に母親がいる状態ですけどそれでも僕にとって負担なので。
僕も結構仕事が忙しいので身の回りの世話ができない。
お金と時間があれば通いができると思うんですけど。


この男性の場合は妹さんと手分けをしているそうですが、
それでも介護は難しいそうなんですね。
こうした話を聞いていると「サロン」の存在は大きいですね。
先程の九州の両親を遠距離介護している50歳代の男性は、
サロンに5回ほど通っているそうなんですが こんな話をして下さいました。


お互いの癒しというのがありますね。
自分だけじゃないんだって、ほかの人も同じ悩みを抱えているんだなと。
やっぱり直接支えられないという罪悪感がどうしてもつきまといますね、
やっぱりそれは辛いですね。
一人で悩むとたまらないですよね。やっぱり、夫婦、兄弟で共有して、
なおかつサロンで話を聞くとだいぶ違う。


確かに気を少しでも気を楽にできる「癒しの場」になるでしょうね。
「サロン」を運営するNPO法人「パオッコ」の代表で、
今日取り上げた 「遠距離介護」という言葉をつくった
太田差恵子さんはこう話しています。


離れて暮らしていると何かあった時に気づくことができないんですよね。
ですから日頃からコミュニケーションを密にして、親がどういうニーズがあるか、
今何に困っているか知りながらサポートしていくことが必要だと 思います。
親が必ずしも具合が悪くなったことを子に言ってこないので、
親に信頼してもらえるということですかね。親に信頼してもらって、
この子に困ったことがあったら言ってもいいんだなと思ってもらえれば、
今後何か起こったときに迅速に対応できると思います。 
 

    良かれと思って自分の所に呼び寄せても、コミュニケーションが 密にとれていなかったために、
実は親は望んでいなかったという例も 多いらしいんです。
また、この「遠距離介護」への周囲の理解が深まらず
、補助なども とても充実しているとはいえない状況なんです。
それだけに、こうした活動は大切ですね。
NPO法人「パオッコ」では、セミナーに参加できない方のために、
ホームページやメールマガジンでも体験談や情報発信しています。

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