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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

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土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!

番組からのお知らせ
プロフィール

堀尾正明

堀尾正明(ほりおまさあき)

生年月日:1955年4月24日
出身地:埼玉県
趣味:ゴルフ

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大学在学中に文学座附属演劇研究所に入り、研究生としてミュージカルに出演。81年にNHKにアナウンサーとして入局、初任地はNHK北九州放送局。
東京へ異動後は芸能畑を担当し、95年開始の『スタジオパークからこんにちは』メインキャスターとなり、人気を博す。
00年『NHKニュース10』のキャスターに抜擢され報道番組を担当。その後『サタデースポーツ』『サンデースポーツ』担当に廻りスポーツ畑へ。2002 FIFAワールドカップのメインキャスターを担当。

長峰由紀

長峰由紀(ながみねゆき)
TBSアナウンサー

生年月日:1963年6月28日
出身地:埼玉県
趣味:演劇鑑賞、相撲観戦

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●出身高校:埼玉県立松山女子高等学校
●出身大学:立命館大学 文学部 中国文学科
●身長:153cm
●血液型:O型
●入社年度:1987年

人権TODAY

人権に関わる身近な話題をテーマに掲げて、ホットなニュースをお伝えしています。

周りの人に聴覚障害者であることを知らせる「お助けシール」

放送日:2012年05月26日
聴覚障害者向けお助けシール
今回はTBSラジオの澤田大樹記者がある「シール」を取材しました。
このシール・・・
・大きさは名刺サイズ
・白地に赤で「聞こえません」
・手話、筆談で教えて下さい


と書いてあります。


これは耳の不自由な方が、まわりの人に見せるためのシールです。
『お助けシール』と呼ばれていて
聴覚障害者のための情報を提供する東京のNPO法人 ベターコミュニケーション研究会が、
大学やメーカーなど、いろんなところとかけ合って、
去年の末にできあがりました。
この「お助けシール」を作ったベターコミュニケーション研究会のスタッフで
ご自身も耳が不自由な中園秀喜さんの話です。



「耳の聞こえない障害は表に見えない。そうした場合聞こえないと言うこと自体を知らせなきゃいけない。そうしないとあの人元気だから手助けしないとなるといけないので、まずは聞こえない人自身が、私は聞こえないんだよと言うことをみんなに分かってもらうための、「聞こえません」「手話または筆談で何が起きたかを教えてください」というお助けシールがひとつ。」


確かに聴覚障害者の方は、ひと目見ただけではわかりませんね。
これまで耳の不自由な人が、聞こえないことを示すためのものとしては
バンダナやハンカチがありました。
黄色のバンダナは聞こえない人、
ピンクは「手話が出来ます」などの意味が決まっていたのです。
でも、あまり知られていないですよね。
このシールなら、一目見ただけで聴覚障害者だということが分かります。
またこの「お助けシール」を作るきっかけになった出来事がありました。
再び中園秀喜さんの話です。


「3・11の災害で17名がなくなった。ほとんどの人が「津波がきました、逃げてください」というのが聞こえなかった。だから見て分かれば助かる方法があるじゃないかと。」

「津波がきた。逃げろ」ということが分からずに
亡くなった人がいたということが、シールづくりの背景にあったんです。

耳が不自由な人にとっては、音の情報はわからないでしょうね。
東日本大震災で助かった耳の不自由な人の多くは、周りの人が「耳が不自由なこと」を知っていて、一緒に逃げたそうです。
一方、避難所で食事を配るときにアナウンスが聞こえずに
配給が終わってしまい、食べられなかったということもあったそうです。

そういう話を聞くと、このシールの役割の大きさがわかりますね。
更に、この『お助けシール』は、明るいところでは「白地に赤」なんですが、
実は20分ほど太陽などの光にあてれば、暗いところで 10時間光り続けるんです。震災の際に停電になっても大丈夫です。


実は『お助けシール』にはもうひとつの種類があります。それがこちらです。
これも名刺くらいの大きさなんですが、
「手話でどうぞ。筆談もします」と書いてありますね。

このシールに関心を示したのは、
図書館などを運営する株式会社ビアックスです。
ビアックスの森本智之(ともゆき)さんの話です。


「「手話できます」というシールを名札につけておくのはいいかと思います。できないということを意思表明しやすいと思う。」

このシールは、耳の不自由な人に向けて
「手話が出来ますよ」「筆談もできますよ」と教えているんですね。
耳の不自由な人からすると、誰が手話や筆談が出来るのかわからないので
こういうシールをつけた人がいると助かるんです。
またビアックスの西門直さんは、こんな話もしています。


「視覚障害者に対しては図書館はかなりサービスがあって、対面朗読室があったり、朗読テープの貸し出しとか目の不自由な方には充実したサービスが、なされていないということで聴覚障害者へのサービスを図書館のサービスとしてやっていきたいなというのがもともとのアイデアです。」


耳の不自由な人へのサービスって少ないんです。 この『お助けシール』は現在、導入に向けて準備を進めている段階で
まだ運用は始まっていませんが、「聞こえません」というシールとともに秋口をメドに導入を進めたいと話していました。


効果を期待しますが、普及に向けた課題もあります。
このシールは1枚500円します。
そのためなかなか自ら買う人がいないということです。
また、耳の不自由な人が「耳が不自由」ということを主張することに
躊躇する傾向もあるそうです。
最後に中園さんに今、聴覚障害者に必要なことを伺いました。


「いわゆるバリアフリーという言葉ばかり進んでいる。僕らはバリアフリーは関係ない。少なくとも情報バリアフリーなんです。見て分かるのが大事ですからね。聞こえない人の場合は。」


見ることでどう状況を知ることが出来るか。この情報バリアフリーが
大切なんだと中園さんは考えているんです。
中園さんは「聴覚障害者がこのシールを1人1枚持つようになり、
避難所ごとに1セット置いてもらえるようになれば」とも話していました。
名刺くらいの小さなシールですけれど、役割は大きい。
価格の課題はありますが、少しずつでも広まることを願います。

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